/

日ロ首脳、共同経済活動へ協議 北方領土「特別な制度」で

安倍晋三首相は15日夜、ロシアのプーチン大統領と首相の地元・山口県長門市の温泉旅館で約5時間会談した。北方四島で「特別な制度」の下での共同経済活動の実現へ協議を始めることを議論。日本にとっては北方領土交渉の進展につなげる狙いで、水産加工や観光、医療、環境などの分野を想定する。北方四島の元島民らがロシアの査証(ビザ)なしで自由に訪問できる事業の拡充も議論した。

ロシアのペスコフ大統領報道官は記者団に、首脳会談で北方領土の主権の問題は話し合われなかったとの認識を示した。帰属問題を巡る日ロの立場の隔たりはなお大きく、進展は見通せない。

プーチン氏は15日夕、大統領専用機で山口県入りした。大統領として日本を公式訪問するのは11年ぶりで、両首脳の会談は16回目。約1時間20分の少人数会合の後、通訳を交えた首脳2人だけで約1時間35分、話し合った。続いて夕食を共にしながら約2時間、拡大会合を開いた。

首相は首脳だけの会談の後、記者団に「率直かつ非常に突っ込んだ議論を行うことができた」と述べた。北方領土問題では「時間がないという元島民の気持ちをしっかり胸に刻んで会談を行った」と語った。会談の具体的な成果は16日の共同記者会見で発表するとした。

会談の冒頭、プーチン氏は「首相の尽力によりロシアと日本の関係が前進している。首脳会談は日ロ関係の前進に大きく貢献すると期待している」と述べた。

ロシアのウシャコフ大統領補佐官は記者団に、共同経済活動を巡る協議を進めることを盛り込んだ共同声明を16日に発表する予定で、両首脳が近く双方の事務当局に協議開始を指示するとの見通しを示した。漁業、観光、医療、環境などの分野が共同経済活動の対象になるとした。ただ「共同経済活動はロシアの法律だけに基づいて実施される」と話した。

首相同行筋は「共同経済活動は我が国の法的立場を害さないことが前提だ」と強調した。

ロシア側によると、2013年11月から中断している日ロの外務・防衛担当閣僚級協議(2プラス2)再開で一致した。

日本側によると、プーチン氏は会談で米国主導のミサイル防衛(MD)システムの配備に懸念を示した。首相は「周辺国や地域に脅威を与えるものではない」と理解を求めた。首相は北朝鮮問題を取り上げ「国連安全保障理事会での決議の厳格な運用が重要で、ロシアと連携したい」と呼びかけた。プーチン氏は対話の重要性を指摘した。

首相は8項目の対ロ経済協力プランの進捗状況も説明した。経済協力は16日の東京での首脳会談でも協議し、医療や資源エネルギー分野など約30件の協力の具体化で合意する見通しだ。会談後に共同記者会見に臨む。

すべての記事が読み放題
有料会員が初回1カ月無料

セレクション

新着

注目

ビジネス

ライフスタイル

新着

注目

ビジネス

ライフスタイル

新着

注目

ビジネス

ライフスタイル

フォローする
有料会員の方のみご利用になれます。気になる連載・コラム・キーワードをフォローすると、「Myニュース」でまとめよみができます。
新規会員登録ログイン
記事を保存する
有料会員の方のみご利用になれます。保存した記事はスマホやタブレットでもご覧いただけます。
新規会員登録ログイン
Think! の投稿を読む
記事と併せて、エキスパート(専門家)のひとこと解説や分析を読むことができます。会員の方のみご利用になれます。
新規会員登録 (無料)ログイン
図表を保存する
有料会員の方のみご利用になれます。保存した図表はスマホやタブレットでもご覧いただけます。
新規会員登録ログイン