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訪日客の消費変調、3年半ぶり落ち込み

4~6月、円高が重荷

国内景気の下支え役として政府が期待する「訪日外国人(インバウンド)消費」が変調を来している。内閣府が15日に発表した4~6月期の国内総生産(GDP)速報値によると、インバウンド消費を示す「非居住者家計の国内での直接購入」は前期比4.5%減だった。マイナスは2012年10~12月期(5.7%減)以来3年半ぶりで、第2次安倍政権が発足してからは初めてだ。

大阪・道頓堀を歩く外国人観光客ら

海外からの訪日客数は13年以降、前年を2~5割上回るペースで伸び続け、15年は1974万人に達した。客数増に伴いインバウンド消費も右肩上がりに伸びてきた。13年は31%、14年は38%、15年57%とそれぞれ前年と比べ増加した。1~3月期も前期比で8.1%増だった。

4~6月期の落ち込みは円高で旅行者の購買意欲が低下した影響が大きい。1~3月期は1ドル=110~120円程度で推移していたが、4~6月期は約10円円高が進んだ。日本百貨店協会によると、インバウンド消費が押し上げてきた全国百貨店売上高は6月まで4カ月連続で前年実績を下回った。4月に発生した熊本地震により、「九州の旅行需要が落ち込んだ」(石原伸晃経済財政・再生相)影響もある。

16年1~6月の訪日客数は前年同期比28%増と好調を維持する。みずほ証券の末広徹シニアマーケットエコノミストは「東南アジアの治安面に対する不安から、日本は消去法で旅先に選ばれている」と分析。今後については「為替の水準が円高に変わってしまったので、これまでの伸び率への回復は難しい」と懸念する。

インバウンド消費はGDP上では外国人が日本で購入した財やサービスを自国に持って帰るという観点から「輸出」としてカウントされる。もっともインバウンド消費自体の額は4~6月期の年率換算で約2兆9400億円で、輸出(90兆8560億円)全体の中では小さい。

GDP統計でインバウンド消費は輸出に分類されるため、この分が「家計消費支出」から差し引かれるが、過去には0.1ポイント程度の寄与度を持つこともあるほど無視できない存在になりつつある。7~9月期以降に盛り返してくるのか。為替動向も踏まえ、市場関係者の注目が集まる。

(大島有美子)

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