2019年4月25日(木)

天皇陛下の生前退位巡る専門家6人の見解詳細

(1/3ページ)
2016/11/15 2:00
保存
共有
印刷
その他

政府は14日、天皇陛下の生前退位を巡る有識者会合(座長・今井敬経団連名誉会長)の第4回会合を開き、専門家への2回目の意見聴取を実施した。専門家6人の見解の詳細は下記の通り。

■渡部昇一・上智大名誉教授

上智大の渡部昇一名誉教授(14日午後、首相官邸)

上智大の渡部昇一名誉教授(14日午後、首相官邸)

天皇陛下が国民の前で働かれるのは非常にありがたい。しかし「そうなさる必要はありませんよ」と伝える人がいれば(よい)。皇室典範にあるように、退位ではなく「摂政」で対応すべきだ。昔と違って、皇位継承権のある人が摂政になる現行の制度は、伊藤博文が考え抜いたものだ。何の心配もなく、現行の皇室典範通りに、摂政を穏やかに置けばよい。臨時措置法のようなことは皇室にとってよくない。

陛下が「摂政は好ましくない」と(の趣旨を)述べられたのは、恐らく最後まで国民の目に見えるところで象徴天皇として仕事をしたいという、ありがたい心だろう。だがそこまでしなくても、宮中で国と国民のために祈ってくだされば十分仕事をしたことになる。天皇の仕事は祈ることだ。

明治天皇の歌にも「民のため心のやすむ時ぞなき身は九重の内にありても」とある。国民のために祈ることが皇室の一番大切なことだと説得すればいい。

説得するのは安倍晋三首相がいい。首相の皇室に対する尊敬の念には一片の疑いもない。首相が陛下に「お休みください。元号も変わらないで、皇位継承権のある皇太子さまが摂政になれば何の心配もない」と話せばいい。

現在の混乱の多い世界で、スムーズな皇位継承がなされれば、日本の国威の宣揚にもなる。〔共同〕

■岩井克己氏

ジャーナリストの岩井克己氏

ジャーナリストの岩井克己氏

昭和天皇の崩御を取材し、終身在位は残酷な制度だと感じた。天皇陛下のお気持ちを拝読し、高齢による限界に直面した時は生前に譲位すべきだとの問題提起と受け止めた。科学者でもある人間天皇らしい理にかなった考えだ。国や国民、残される皇室の方への責任感と思いやり、高い倫理性がにじんでいた。

譲位を容認する選択肢を設けるべきだ。上皇や院政の弊害が生じるとか、恣意的、強制的な退位があり得るという心配は、象徴天皇制が定着した現代では考えにくい。

摂政は不可。天皇の意思能力がほとんど失われた時に置かれるもので、機能を失った象徴と併存し、中途半端な立場になる。重患に陥った天皇の尊厳も傷つく。

公務の削減は困難だ。「国事行為」は憲法で定められた儀礼的活動なので削減できない。「公的行為」は天皇の意思に基づき皇后とともに積み重ねる活動で、一律に削減するのは難しい。天皇と宮内庁が相談して決めていくべきだ。

譲位を認める場合、特別法ではなく、皇室典範改正の「王道」を行くべきだ。特別法では典範の権威や規範性を損なう。高齢化に対応する譲位に論点を絞り、本人の意思や皇室会議での承認といった条件を付ければ、難事ではない。世論調査でも陛下の考えに多くの国民が共感している。〔共同〕

  • 1
  • 2
  • 3
  • 次へ

春割実施中!無料期間中の解約OK!
日経電子版が5月末まで無料!

保存
共有
印刷
その他

電子版トップ



[PR]

日本経済新聞社の関連サイト

日経IDの関連サイト

日本経済新聞 関連情報