日本郵便、純利益初の増加 16年3月期 郵政・かんぽは増配
昨年11月に上場した日本郵政が13日発表した2016年3月期決算は、郵便事業を手がける日本郵便の純利益が472億円と前の期比2.1倍に増えた。宅配便「ゆうパック」の増加やマイナンバー通知カードの配送が利益を押し上げた。日本郵政とかんぽ生命は株主還元を重視して従来方針より配当を積み増す。
日本郵便の通期での増益は12年10月の郵便局会社と郵便事業会社の合併以降で初めて。ただ17年3月期の純利益の見通しは120億円と75%減る見通しだ。昨年買収した豪物流会社トール・ホールディングスの「のれん代」の償却として230億円の費用が発生するほか、局舎の改修工事のコストが響く。
持ち株会社の日本郵政の16年3月期の純利益は4259億円と前の期比12%減った。金利の低下でゆうちょ銀行やかんぽ生命の運用益が減ったうえ、昨年の上場で、ゆうちょ銀・かんぽ生命の株を11%ずつ売り出したことで親会社の利益への貢献が減る。日本郵政は16年3月期の1株当たりの配当を25円と、従来予想より2円引き上げる。
かんぽ生命は17年3月期の配当を前期比4円積み増して60円とする。リスク資産への投資を増やすことで、純利益の見通しは前期比1%増とグループ4社で唯一増益を見込む。