2019年6月18日(火)

ガス小売り17年自由化 家庭向け、法改正案提出へ
経産省、2.4兆円市場開放

2015/1/13付
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経済産業省の有識者会議「ガスシステム改革小委員会」は13日、家庭向けの都市ガス販売を2017年をメドに自由化すべきだとする報告書をまとめた。実現すれば、既存のガス会社以外の企業が、2.4兆円とされる家庭向けのガス市場に参入できるようになる。政府はガス会社と新規参入企業との競争を促し、海外と比べて割高なガス料金の抑制をめざす。

政府は報告書を受け、1月下旬に召集予定の通常国会にガス事業法の改正案を提出する。16年4月の自由化が決まっている家庭向けの電力販売の市場規模7.5兆円と合わせると、合計で約10兆円の市場が開放されることになる。

都市ガス改革の狙いは料金の抑制だ。日本の家庭向けガス料金は12年に1立方メートルあたり1.64ドルと、米国の4倍に達する。足元では原油価格の下落で高騰は一服しているが、東日本大震災後の上昇基調に変わりはない。原料となる液化天然ガス(LNG)の輸入価格が円安で高止まりしているためだ。

家庭向けのガス販売は半世紀以上、地域独占が続いてきた。東京ガスをはじめ約200あるガス会社にしか販売を認めておらず、競争が働きにくかった。

経産省は異業種の企業にも参入を認めることで料金下げをめざす。実際、1995年に大口向けの販売を自由化してから、LNG価格の上昇に比べてガス料金は抑えられてきた。

家庭向けのガス販売には、LNGの輸入基地を持つ電力や石油元売り大手が参入する見通しだ。電力とガスのセット割引など、料金メニューが広がる可能性がある。

一方、自由化には課題も残った。参入障壁となりかねないガス会社の導管(パイプライン)部門の分社化に、結論が出なかったためだ。

ガス販売に異業種が参入するには、大手ガス会社が持つ導管を利用する必要がある。経産省は導管を道路のように誰でも公平に利用できるようにするため、東京・大阪・東邦の大手ガス3社の導管部門を分社化する「法的分離」を実施する予定だった。電力会社の送配電部門を分社化する発送電分離と同じ発想だ。

大手ガス会社側は経産省の法的分離案に「効果がない」などと反発。経産省が13日に出した報告書では、法的分離について「導入を方向性として前提とする」や「視野に入れる」と記載するにとどまった。

政府はガス会社の法的分離について、国会への法案提出に向けて与党との調整に入る。焦点は電力の発送電分離(18~20年)のように、時期を明確にできるかどうかだ。

与党内では法的分離について賛否が入り交じっている。ガスの分離ができなければ、すでに分離が決まった電力業界から反発が強まる可能性もある。

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