2018年11月17日(土)

GDP、7~9月は高成長予測も 秋以降の持続カギ

2014/8/13付
保存
共有
印刷
その他

消費増税後の日本経済は駆け込み需要の反動でブレーキがかかった。前期比年率6.8%減という実質国内総生産(GDP)の低下幅は前回消費税を引き上げた1997年4~6月期(3.5%減)を大きく超えた。ただ、13日の記者会見で甘利明経済財政・再生相は「先行き反動減は和らぐ」と述べ、夏以降は緩やかな回復が続くと強調した。

消費増税の影響を最も受けた個人消費は、1~3月期に駆け込み需要で前期比2.0%増になった後、4~6月期は反動で5.0%減に落ち込んだ。特に家電や自動車が低迷し、耐久消費財に限ってみれば、18.9%減になった。

前回の消費増税時の個人消費は1~3月期に2.1%増になり、その後3.5%減となった。前回に比べ、駆け込み需要の反動減は強く出た。

落ち込む消費の下支え役として期待された海外需要も伸びなかった。輸出は前期比0.4%減と3四半期ぶりのマイナスになった。前回増税時は4.2%増で、消費の落ち込みを外需が支えた。甘利経財相は「生産能力の海外移転が進んでいる」と述べ、輸出減には製造業の空洞化という構造的な問題があるとの認識を示した。

政府・日銀ともに2014年度は緩やかな外需の伸びが景気をけん引するシナリオを描く。米国経済の回復が続く中、輸出の低迷は今後の日本経済に影を落とす。

内閣府が7月に見直した14年度実質経済成長率の見通し(1.2%)を達成するには、今後平均で前期比1.2%(年率5%弱)の成長が必要で、実現は難しそうだ。

ただ、日本経済が今後、悪循環のスパイラルに陥るかというと、そこまで悲観する必要はなさそうだ。日本経済研究センターがまとめたESPフォーキャスト調査によると、エコノミストら42人の見通しは7~9月期のGDPについて前期比年率4.08%増と高い成長率を見込む。「谷深ければ山高し」で、夏場は高めの成長となり、その後もプラス成長が継続するとの見立てだ。

前回の消費税を引き上げた97年は夏以降、アジア通貨危機や北海道拓殖銀行、山一証券の経営破綻などが相次ぎ、深刻な景気後退に陥った。今のところ世界経済は緩やかながらも回復を続けている。ウクライナ情勢などの懸念はあるが、景気後退に陥るほどのリスクは今のところ見当たらないとの声が多い。

政府内には「大幅な成長率のマイナスが国民心理に大きな影響を与えないかどうか心配だ」との指摘もある。日本経済をどうやって巡航軌道に戻していくか。甘利経財相は同日の記者会見で「必要と判断される場合には、機動的な対応を行う」と強調した。秋以降の安倍政権の経済政策運営が試される。

今なら有料会員限定記事もすべて無料で読み放題

保存
共有
印刷
その他

電子版トップ



[PR]

日本経済新聞社の関連サイト

日経IDの関連サイト

日本経済新聞 関連情報