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民泊解禁、政府内に溝 旅館業法適用か否か

一般住宅に有料で旅行者らを泊める「民泊」の解禁を巡り、厚生労働省と国土交通省の有識者会議は12日、部屋の貸し手に旅館業法の営業許可の取得を促す対策案を了承した。両省はこれを踏まえ、具体的な詰めに入る。ただ政府の規制改革会議は同法の適用除外にすべきとの立場。国家戦略特区での民泊を巡ってはマンション管理規約の扱いで国交省と特区側の溝が深い。政府内の調整は曲折がありそうだ。

民泊サービスを繰り返し提供する貸し手は旅館業法の営業許可が必要だ。インターネット仲介を通じて普及する民泊の大半の貸し手は許可を得ていない。訪日外国人の急増による大都市のホテル不足を背景になし崩しで違法状態が続いている。

今回の旅館業法の枠組みによる許可を出す方式に、法改正は必要ない。カプセルホテルなどの「簡易宿所」の面積基準などを緩和し、宿泊者の確認やトラブル時の体制整備を条件に許可を出す方向だ。「法の網」で捉えるための応急処置といえる。厚労・国交省は3月末までに有識者会議の中間報告を取りまとめる。

この流れに待ったをかけているのが政府の規制改革会議だ。昨年12月に旅館業法の適用を外し届け出制などの緩やかな監視にとどめるよう求める提言をまとめた。民泊が普及すると経済効果は10兆円台との試算もあり、この勢いがそがれることを懸念している。だが12日の厚労・国交省有識者会議では「民泊は旅館業法の旅館業にあたることは否定できない」とくぎを刺す意見が出た。

一方、国家戦略特区では旅館業法の適用を外す特例で民泊を認める制度があり、東京都大田区で来月から実質的にスタートする。これを巡っても政府内で温度差がある。

マンションの管理規約には一般に「専ら住宅として使用する」との規定がある。住宅行政を管轄する国交省は民泊は「住宅」に当たらないとの立場。特区で民泊を実施するには規約の改正が必要との通達を昨年12月に自治体などに出そうとした。

しかし国家戦略特区の会議の民間議員の猛反発にあい、通達は出ていない。民間議員は民泊は「住宅」であれば可能との立場。国交省の言い分による管理規約の改正は必要ないとの見解だ。国交省は「今後も説明に努めていきたい」(石井啓一国交相)との姿勢だ。

政府全体としては観光立国に向けて民泊に積極的。これに対し慎重なのが旅館業界だ。強力なライバルを恐れてのことだが厚労・国交省の有識者会議では「テロ犯罪者の格好の宿泊施設となり得る」「設備費用がかかる旅館やホテルと民泊の不公平な競争条件を是正すべきだ」とけん制している。中期的にはネット仲介業者への規制も議論になる。民泊を巡る調整作業はまだ先が長そうだ。

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