高齢者の地方移住後押しを明記 1県3市が検討開始

2015/6/13 0:21
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政府は12日開いた「まち・ひと・しごと創生会議」で、2016年度予算編成に向けた地方創生施策の指針となる基本方針の素案を示した。大都市の高齢者が地方に移住する動きを後押しする方針を明記。16年度からモデル事業を実施し、移り住んだ人が安心して老後を過ごせるような施設や環境をつくっていく。202の自治体が関心を示しており、長崎県など1県3市が先行して検討を始めた。

基本方針は月内にまとめる。大きな柱となるのが、大都市の高齢者が健康なうちに地方に移り住むよう促す「日本版CCRC」構想の推進だ。施設整備や環境づくりに官民が協力する。

CCRCは(1)高齢者が住みやすい大型施設を造る「施設型」(2)狭い地域に個人住宅を集める「エリア型」(3)小規模自治体全体で機能を担う「タウン型」――の3種類。バリアフリー施設や見守りサービスなどを用意。ボランティアや生涯学習の取り組みも支援する。

首都圏で暮らす高齢者の地方移住をうたった民間の「日本創成会議」の提言を踏まえた。同会議の座長、増田寛也元総務相はまち・ひと・しごと創生会議の一員だ。

東京一極集中を防ぎ、地方の人口減少を防ぐ狙いがある。政府は移住者受け入れを進める自治体に16年度に新設する新型交付金を配る。地域限定で大胆に規制を緩和する特区の指定を検討する。こうした自治体と、移住を希望する高齢者を引き合わせる役割も担う。

政府調査によると、202の自治体が拠点整備に意欲を示しているという。先行して取り組むのは、長崎県、茨城県笠間市、山梨県都留市、新潟県南魚沼市だ。

新潟県南魚沼市では市内に本部を置く国際大学と連携。約200世帯、400人ほどが住むCCRCを検討中だ。移住した人には留学生との交流や日本語支援、ホームステイ受け入れなどに協力してもらいたいという。完成前に街の雰囲気を知ってもらう「お試し居住」を計画している。井口一郎市長は「CCRCはチャンス。地元雇用にもつなげたい」と話す。

山梨県都留市も都留文科大学などと協力した構想を描く。既存の団地も活用して約700世帯、1千人ほどが住む街区整備を想定する。堀内富久市長は「都留が住み続けたくなる街になるきっかけにしたい」と語る。

動き始めた大都市高齢者の地方移住。拠点整備に必要な財源を賄いきれるのかなど課題も残す。

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