「共謀罪」法案の審議慎重に 自公確認、過去の廃案を考慮

2017/1/11 20:50
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自民、公明両党の幹事長らは11日の会談で、犯罪を計画段階で処罰する「共謀罪」の構成要件を改め「テロ等準備罪」を新設する組織犯罪処罰法改正案を政府が20日召集の通常国会に提出した場合、審議を慎重に進めることを確認した。「共謀罪」を創設する法案が2003年以降、国会で3度廃案になった経緯を踏まえたもの。民進党や共産党も国会で厳しく追及する構えをみせている。

会談では、公明側から「慎重に協議したい」と申し入れ、自民側も同調した。公明党は、国政選挙並みに重視する夏の都議選を控えて国民の反発が出かねない法案の拙速な審議に慎重だ。

政府が同法案の成立をめざすのは、20年の東京五輪・パラリンピックに向けた各国とのテロ対策での連携強化が念頭にある。国連は00年にテロ防止へ向けて国際的な情報共有を強化する「国際組織犯罪防止条約」を採択したが、主要7カ国(G7)で唯一、日本は締結していない。条約締結の要件として共謀罪などの法整備が必要なためだ。

だが、3度廃案になった法案では「共謀罪」は重大犯罪の謀議に加わるだけで罪に問われるなど、一般の市民が漠然と犯罪の相談をしただけで罰せられるのではないか、との懸念が強かった。

法務省は、通常国会での提出に向けて法案を修正し、「共謀罪」の名称を「テロ等準備罪」に変えた。対象となる組織は「団体」から「組織的犯罪集団」に限定。構成要件も現場の下見などの「実行の準備行為」との文言を加え、より厳格化した。

それでも公明党は対象となる犯罪をもっと「減らすべきだ」と主張している。現在の法案では、対象犯罪は殺人や詐欺など600を超えている。

民進党は慎重な立場を示しており、国会で法案の内容をただす構え。殺人、強盗、ハイジャックなどの凶悪犯罪には刑法の「予備罪」が既にあるほか、内乱予備罪や内乱陰謀罪など、テロ行為を企てただけで処罰できる有効な対策が刑法上に規定されている。共産党は「憲法が保障する思想信条や表現の自由など基本的人権を侵害し、治安維持法の現代版」と小池晃書記局長が述べるなど強く反対している。

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