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教職員削減提案、財務省が歳出抑制具体策 与党など抵抗も

財務省は11日、財政健全化目標を達成するために求める歳出抑制の具体案をほぼ固めた。2008年の金融危機後に設けた地方向けの特別予算を廃止する案や、公立の小中学校の教職員数を抑える案を新たに示した。今年4月に示した社会保障費を抑える具体策とあわせ、各省庁に実施を迫る。ただ医療費の負担増など過去に断念した改革が多く、実現できるかどうかは不透明だ。

11日に開いた財政制度等審議会(財務相の諮問機関)の分科会で地方や教育、公共インフラへの歳出を抑える具体策を示した。社会保障費抑制の具体策は先月末にすでに示しており、改革案がほぼ出そろった形だ。

焦点の一つである地方向け予算では、地方の予算総額をかさ上げする「歳出特別枠」と地方交付税交付金に上乗せする「別枠加算」の廃止を求めた。いずれも金融危機後に落ち込んだ地方経済を支えるための措置。地方税収は15年度に40.2兆円と危機前の07年と同水準になる見込みで、分科会では「危機対応であったはずの措置は廃止すべきだ」との指摘が出た。

救急車で搬送した患者が軽症だった場合に本人にお金を払ってもらう案も示した。15年度の地方財政計画で1兆円が計上された「まち・ひと・しごと創生事業費」についても「かなり増えており、成果のチェックが必要」との指摘があった。

教育分野では小中学校の教職員を今後10年で約4.2万人減らしても教育の質を維持できるとして合理化を求めた。公共インフラは新しい投資を抑え、既存設備の長寿命化や集約に力を入れるべきだとした。

政府は社会保障費などの政策経費を税収でどのくらい賄っているかを示す基礎的財政収支(プライマリーバランス、PB)を20年度に黒字化する目標を掲げている。経済財政諮問会議の議論を経て6月末をメドに目標達成に向けた計画をつくる予定で、財務省はここに歳出削減の具体策を盛り込みたい考えだ。

内閣府の試算によると、財政健全化目標を達成するには9.4兆円分の歳出削減や税収増が必要だ。政府は今回の計画では消費税率を10%超に引き上げることは避ける方針で、歳出削減の重要度は増している。

ただ来夏に参院選が控え、医療費の自己負担増など国民に痛みを求める改革には与党内や関係者の抵抗が予想される。病院での受診時に窓口負担とは別に定額負担を求める案など、過去に検討したものの頓挫した案も再び盛り込んでいる。

地方向け歳出も選挙を控え「地方に配慮するため、ばっさり削ることはできない」(経済官庁幹部)との声も漏れる。

経済の成長力を高める施策も必要になる。政府は実質2%以上、名目3%以上の経済成長を続けて税収を増やすことを財政健全化計画の最大の柱に据える方向。潜在成長率が1%に満たない日本ではかなり高いハードルだ。規制改革など潜在成長率を高める成長戦略の立案と実行が問われることになる。

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