運用リスク、労使で分担 厚労省が新企業年金制度案

2014/9/11付
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厚生労働省は11日、企業年金部会を開き、労使が運用リスクを分かち合う新しい企業年金制度の案を示した。企業が一定の給付額を約束する確定給付年金と、社員自らが運用する確定拠出年金の中間型だ。中小企業向けの簡素な年金制度もつくる。公的年金の給付を抑えるなか、企業年金の加入者を増やし老後の生活資金を確保してもらう。

確定給付型の企業年金は企業が運用損失を穴埋めするため、市場の動きで業績が大きく左右される。確定拠出型は損失の分だけ社員への給付額が減るため、運用を大きく誤ると老後の生活設計が狂う。原則として労使のどちらかに負担が偏るため、企業年金の加入者は約1600万人と会社員の4割程度にとどまっている。

厚労省はこの日、2つの企業年金の特徴を合わせたハイブリッド型の制度を2種類提案した。ともに企業の責任で最低限の給付を保証したうえで、上乗せ分が運用次第で増えたり減ったりする。資産の運用を企業主導で行うか、社員の意見も反映するかといった点が異なる。最低保証額などは労使で柔軟に決められるようにする見通しだ。制度設計を年内に詰め、来年の通常国会で関連法の改正を目指す。

100人以下の中小企業などに限定した簡易型の確定拠出年金もつくる。通常は社員ごとに異なる拠出額を全員月5000円程度に固定するほか、平均20種類ほどある運用商品を3つに絞る。企業の管理コストを減らすほか、社員も商品選びの手間が少なくなる。

政府は高齢者の増加で公的年金の財政が悪化しているため、2015年度から基礎年金や厚生年金の給付額を抑える方針だ。公的年金が目減りするぶん、企業年金の普及を促して、豊かな老後を送れるようにする考えだ。

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