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株主提案権、乱用防ぐ 回数制限など法務省検討

法務省は株主総会で株主側から議案を提起する「株主提案権」の乱用的行使を防止するため、新たな措置の具体的な検討に入った。金田勝年法相が9日、法制審議会(法相の諮問機関)に会社法改正を諮問した。1人の株主が大量の提案を出し企業に過度の負担をかける事例もあり、回数制限などを検討。経営現場の実態に合わせて企業統治の仕組みを使いやすくする。

法務省は(1)株主総会の手続きの改善(2)社外取締役の義務付けの是非(3)役員報酬の制度改正(4)社債の管理業務に関する規定の見直し――を主な検討課題に設定。法制審で1年半~2年かけて議論し、2019年以降の法案提出を目指す。

株主提案権の制限は株主総会の手続きの改善策の目玉。現行では総株主の議決権の1%以上、または300個以上の議決権を6カ月以上前から保有する株主に行使が認められ、提案数や提案内容に制限はない。民間調査では15年7月~16年6月に開かれた上場企業の株主総会で株主提案権が行使されたのは50社で、5年間でほぼ倍増した。

株主提案権は経営陣と議論する正当な手段として活用されることが多いが、株主提案が多すぎて総会の進行が滞る事例も相次いでいる。

関西電力では16年に原子力発電所の廃炉や社会的責任(CSR)強化などの議案が22件提案された。野村ホールディングスは12年、1人の株主から「社名を野菜ホールディングスに変更する」などの株主提案を100件受けた。企業側からは乱用的提案への規制を求める声が上がっていた。

米国では提案を株主1人あたり1つに制限し、英国やドイツでは明らかに乱用的な内容の議案を排除する規定を設けている。株主の権利を不当に制約することなく企業負担を減らす方策を法制審で議論する。

総会の招集通知資料を株主の同意なくネットで提供できるようにする制度改正も検討する。現在でもすべての株主に個別に承諾を得ればネット提供に切り替えられるが、採用企業は上場企業の3%程度。ネット活用が進めば印刷コストなどの軽減につながる。

社外取締役の義務付けの是非も検討対象だ。東京証券取引所によると全上場企業の95%が社外取締役を導入済み。経営の監視機能が高まるとの主張がある一方で、義務付けで企業価値が向上するとは限らないとの指摘もある。

役員報酬については業績連動型の報酬を支給する際の規定を整備する。海外投資家らから報酬額決定のプロセスが不透明との指摘があることに対応する。社債の管理については、会社法で原則義務付けられている「社債管理者」の導入が全体の2割程度と低いことから、実態に合わせた制度に見直す。

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