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衛星打ち上げ、10年で最大45基 新「宇宙基本計画」決定

(更新)

政府は9日午前、宇宙開発戦略本部を開き、2024年度までの日本の宇宙政策の指針を定める新「宇宙基本計画」を決定した。人工衛星を使った船舶の監視や情報収集など、宇宙システムを安保目的により直接的に利用できるよう体制を整備する。今後10年間で衛星など最大45基を打ち上げる。宇宙関連産業を官民合わせて5兆円規模とする目標も盛り込んだ。

宇宙開発戦略本部会合であいさつする安倍首相(9日、首相官邸)

新計画は「宇宙システムの利用なしには現代の安全保障は成り立たない」と指摘。日本周辺の安保環境が厳しさを増していることを踏まえ「測位、通信、情報収集等のための宇宙システムを我が国の外交・安保政策、自衛隊の部隊運用に直接的に活用可能なものとして整備する」と明記した。

具体的には、地上の位置情報を高い精度で測る測位衛星「準天頂衛星」を23年度までに現在の1基から7基に増やす。日本上空から常時測位できるようになる。平時は民間の位置情報サービスに利用するが、安保上の有効活用を今後検討する。

海上の船舶や地上施設の監視に使う情報収集衛星は機能の拡充・強化を進め、基数を増やす。秘匿性や防御力の高い防衛衛星通信網は現在は民間のものを利用しているが、自衛隊独自で3基体制とする。安保への利用拡大と民間事業の推進を両面で進める法案を16年の通常国会に提出する。

日米の安保面での宇宙協力を強化する。人工衛星などに損傷を与える危険がある「宇宙ごみ(デブリ)」の共同監視体制を確立する。米国の全地球測位システム(GPS)との連携を強め、一方が攻撃や故障で無力化した場合に補完する仕組みも整備する。日米で協議中の日米防衛協力のための指針(ガイドライン)の再改定に反映する。

新計画は宇宙関連の国内産業をテコ入れする狙いもある。今後10年間の衛星の運用計画を明示し、戦略的な開発につなげる。関連産業の海外展開に向け、有識者を加えた会合を設置する。

宇宙の探査・研究では、今後10年間で、大型のH2Aロケットを使う中型衛星を3基、小型イプシロンロケットを使う小型衛星5基の打ち上げに取り組む。

国際宇宙ステーション(ISS)の日本の参加延長は、他国の動向を踏まえ16年度末までに結論を出す。有人の宇宙探査は「慎重かつ総合的に検討を行う」とした。

安倍晋三首相は9日の戦略本部の会合で「新たな安全保障政策を十分に踏まえ、長期的かつ具体的な計画とすることができた。歴史的な転換点となる」と述べた。

日本は1969年に宇宙利用を平和目的に限る国会決議を採択し、軍事面での利用を禁止してきた。2008年の宇宙基本法で安保利用を解禁したが、抑制的な姿勢は維持された。13年に策定したこれまでの基本計画も具体策は少なかった。

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