2019年2月16日(土)

北海道・北陸新幹線延伸、3~5年前倒し決定

2015/1/9付
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速度向上試験で走行する北海道新幹線「H5系」車両(北海道北斗市)=共同

速度向上試験で走行する北海道新幹線「H5系」車両(北海道北斗市)=共同

政府・与党は8日、北海道新幹線の函館から札幌への延伸を現行計画より5年早い2030年度、北陸新幹線の金沢から敦賀への延伸は3年早い22年度にすることを正式に決めた。九州新幹線の長崎ルートは可能な限りの前倒しをめざす。

与党内では敦賀駅への延伸前に福井駅を早期開業するよう求める声が強く、慎重な政府とは溝がある。およそ1年半に及んだ議論は決着を迎えたが、新たな火種を抱え込んだ。

与党幹部や関係大臣が出席する14日の政府・与党検討委員会で合意文書を交わす。

北海道、北陸、九州・長崎ルートの整備計画は民主党政権の12年に現在の枠組みが決まった。従来の計画より建設期間を延ばし、単年度あたりの財政負担を抑えたのが特徴だ。早期開業を求める自公政権による今回の計画の見直しで、財政規律は緩む。

前倒しに必要な建設資金は国土交通省が昨年5月に5400億円と試算した。同省は国費を使わない幾つかの財源案で4500億円を捻出した。

1つめは新幹線の整備主体である独立行政法人の鉄道建設・運輸施設整備支援機構の民間金融機関からの借り入れだ。新幹線を運行するJR各社が将来支払う線路や駅の使用料を担保に約2000億円を調達する。

2つめはJR各社が鉄道・運輸機構に使用料として払っている貨物調整金の見直しだ。一部を建設財源に回せるよう制度を改め約2000億円を捻出する。

3つめは鉄道・運輸機構の金利費用の想定の見直しだ。これまでは一律2%とみなしていたが、実勢にあわせ0.5~1.5%に下げ、300億円弱をひねり出す。

これらの措置で確保できる財源は合計4500億円となる見通しだ。残り900億円ほどの建設費用は国と地方の財政支出を増やして賄う。建設期間の16年で割り、国と沿線自治体が2対1で負担し合う取り決めに従うと、16年の建設期間中に国は支出を単年度あたり約35億円、地方は約18億円増やす必要がある。政府は14年度に720億円を計上した新幹線予算を、15年度は35億円程度増やす方針だ。

開業時期の前倒しで満額回答を引き出した与党内では、敦賀までの途中駅である福井の早期開業を求める声が強まってきた。与党の作業チームで今年夏までに結論を出すが、用地買収や建設工事など課題は多い。国交省幹部は「できないことをできますとは言えない」と慎重で、今後の議論は波乱含みだ。

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