生乳の流通を自由に 規制改革会議が提言了承
JA全中は反発

2016/4/8 20:45
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政府の規制改革会議(議長・岡素之住友商事相談役)は8日、牛乳やバターなどの原料に使う生乳の流通を自由化すべきだとの提言を了承した。国が指定した農協団体が独占的に生乳を集荷・販売する仕組みを改め、酪農家が生乳の生産量や売り先を選べるようにする。6月までにまとめる答申に盛り込む。全国農業協同組合中央会(JA全中)などは反発しており、調整難航は必至だ。

提言は同会議の作業部会が策定した。現行制度では、生乳は農協が地域ごとに集荷・販売を独占し、生産量や用途を決めている。農協団体に出荷しないと国の補助金を受け取れない仕組みで、生乳生産量の95%以上が農協経由になっている。

今回の提言では、全ての酪農家が公平に補助金を受け取れるよう求めた。酪農家が生産量を増やしたり、高く売れる販売先を開拓したりする効果を期待する。20年続く生乳生産量の減少傾向に歯止めをかける狙いだ。

菅義偉官房長官は8日の記者会見で「酪農家の所得向上を図り、後継者不足に対処することは重要な問題だ。重要な提言だ」と強調した。

一方、JA全中の奥野長衛会長は7日の定例会見で、提言に反対する考えを表明した。同日、森山裕農相に会い、現行制度の役割維持を求める意見書を提出。奥野氏は記者会見で「規制改革会議がどれだけ牛乳の世界をご存じなのか疑問を持っている」と述べた。自由化になじまない理由に搾乳や衛生管理の難しさを挙げた。

自民党の畜産・酪農対策小委員会や北海道のホクレン農業協同組合連合会も「乳製品の安定供給を損なう」と批判的だ。

規制改革会議の岡議長は8日の記者会見で「酪農を成長産業にしようという思いがあれば提言に反対しないはずだ」と反対論をけん制した。

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