経常黒字10兆円超 海外子会社好調「稼ぎ方」変化

2017/8/8 10:55
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 財務省が8日発表した2017年1~6月の国際収支統計速報によると、海外とのモノやサービスなどの取引状況を表す経常収支は10兆5101億円の黒字だった。上半期では2年連続で10兆円を超え、黒字幅は2008年のリーマン危機以降で最大。10年ぶりの高水準だった。円安・株高を背景に、国内企業が海外に投資して稼ぐ収益が増えて所得収支が伸びた。訪日外国人観光客の増加も支えとなった。

 経常収支は日本と海外のお金のやりとりを示す。日本に入るお金が多ければ黒字になる。

 11年の東日本大震災以降、経常黒字は縮小傾向が続き14年上半期は3849億円まで減った。その後、エネルギー価格の急落や円安などを受けて拡大基調に転じ、足元では原油価格の上昇で貿易収支の黒字幅が減少。16年の同じ時期と比べると、17年上半期の経常黒字額は微増だった。

 企業が受け取る海外子会社の配当金や債券の利子などを示す第1次所得収支は、前年同期比2%増の9兆7622億円の黒字だった。好調な海外経済を支えに、企業が海外子会社から得る配当金、再投資収益といった直接投資収益が増え、全体の黒字幅を押し上げた。

 第一生命経済研究所の新家義貴主席エコノミストは「今回の黒字は第1次所得収支の増加が寄与した。日本企業の海外子会社の業績が好調だった影響が大きい」と指摘する。10年前は貿易収支が経常黒字をけん引したが、日本の「稼ぎ方」が変化している現状を映す。

 貿易やサービス取引の状況を示す貿易・サービス収支の黒字は15%減り、1兆7557億円だった。原油価格の上昇を受けて貿易収支の黒字幅が縮小した影響が大きい。

 貿易収支は2兆531億円の黒字。前年同期比で12%減った。輸出は半導体製造装置や自動車関連が好調だった。ただ財務省によると、原油価格がこの1年で48%上昇。輸出・輸入額ともに前年同期を上回ったが、輸入額の増加が大きく、黒字幅縮小につながった。

 サービス収支は2974億円の赤字で赤字幅が拡大。ただこのうち旅行収支は7903億円の黒字となり、半期ベースで過去最高となった。格安航空会社(LCC)の増便などで韓国からの訪日客数が増えている。訪日客が消費する金額が、海外旅行中の日本人の消費額を上回った。

 6月単月でみると、経常収支は9346億円の黒字で、前年同月比4%減少した。エネルギー価格の上昇を受けて貿易黒字が縮小したため。第1次所得収支は直接投資収益の増加で黒字幅を拡大。サービス収支の赤字幅を縮小した。経常黒字は36カ月連続となった。

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