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北方領土「新アプローチで」 日ロ首脳、9月再会談

2016/5/7 4:04
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 【ソチ=山口啓一】安倍晋三首相とロシアのプーチン大統領は6日夜(日本時間7日未明)、ロシア南部ソチでの会談で、平和条約締結問題について双方が受け入れ可能な解決策の作成に向け「新たな発想に基づくアプローチで精力的に交渉を進める」ことで一致した。北方領土問題を含む事務レベルの平和条約締結交渉を6月に開くことでも合意した。

首脳会談を前に、ロシアのプーチン大統領(左)の出迎えを受ける安倍首相=6日、ソチ(代表撮影・共同)
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首脳会談を前に、ロシアのプーチン大統領(左)の出迎えを受ける安倍首相=6日、ソチ(代表撮影・共同)

 9月にウラジオストクで開く東方経済フォーラムに合わせて訪ロし、再び首脳会談を開くことも確認。プーチン氏の訪日について首相は「最も適切な時期を検討したい」と述べるにとどめた。会談後、ソチ市内で記者団に語った。

 会談で首相は、平和条約問題について「今までの交渉の停滞を打破しよう。問題解決にはグローバルな視点も考慮したうえで未来志向で交渉するアプローチが必要だ」と提案。プーチン氏の訪日に向けて「静かな交渉環境を維持するために、相手の国民感情を傷つける行動、発言は控えるべきだ」と強調した。プーチン氏も同意した。

 首相はロシア国民の生活環境の改善や産業経済革新に向けた8項目の協力プランを提案。エネルギー開発や医療、都市づくり、中小企業交流などでの協力強化が柱で、首相は「これが実現できれば両国関係を2人で大きく深めることができる」と指摘した。プーチン氏は「すばらしい。実現させたい」と応じた。

 ただ北方領土問題を巡っては、日本政府は4島の帰属問題を解決して平和条約を締結する基本方針は「全く変わっていない」(同行筋)。平和条約締結後の2島返還が明記された1956年の日ソ共同宣言を重視するロシア側との溝は深く、「新しいアプローチ」で進展に結びつけられるかはなお不透明だ。

 会談時間は夕食会も合わせて約3時間10分に上った。途中、両首脳が2人きりで話す時間も約35分あった。首相は会談後、記者団に「じっくりと胸襟を開き、平和条約について率直な議論ができた」と語った。

 両首脳は7月にモンゴルで開くアジア欧州会議(ASEM)や秋の国際会議を利用して会談の機会を探ることでも一致した。首相はウクライナ問題を巡り、ロシアが停戦合意を履行に建設的な役割を果たすよう求めた。

 首相の訪ロは14年2月以来で今回は非公式訪問の位置付けだ。

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