2019年3月23日(土)

国家公務員もフレックスタイム 16年度から全一般職に

2015/8/6付
保存
共有
印刷
その他

今年度の人事院勧告で国家公務員の月給とボーナスが2年連続で増えるとともに、勤務時間を個人で柔軟に設定できる「フレックスタイム制」が2016年度からすべての一般職に導入される見通しとなった。男女ともに育児・介護との両立を後押しする一方、女性の就労拡大を阻害する一因とされる「配偶者手当」の改定は見送った。

人事院が6日、月給の平均0.36%引き上げなどを盛り込んだ給与改定勧告とともに国家公務員の勤務時間を規定する「勤務時間法」の改定も勧告した。1カ月間など一定期間の合計勤務時間の範囲内で、1日単位の勤務時間を柔軟にする。午前7時から午後10時の間で個人が勤務時間を決められるようになる。

5時間のコアタイムを含む1日の最短勤務時間を6時間と規定。育児・介護中の職員は1日の最短勤務時間を4時間に短縮し、他の日に集中して仕事すれば、平日のうち勤務しない日をつくることもできるようにする。

秋に予定される臨時国会での法改正を経た上で16年度からの適用をめざす。現在の制度の対象は研究職や専門職など約1200人に限られている。すべての一般職国家公務員への拡大で、対象者は約27万人に増える。

ただ実際の利用が進むかどうかは未知数だ。フレックス制を利用するには、1週間分や4週間分の勤務時間をあらかじめ決めて申請する必要がある。子どもを持つある女性官僚は「働き方の選択肢が増えるのは良いことだ」としつつ「明日の予定がわからない業務の中で、事前申請は難しい」と話す。別の若手官僚も「国会などで急に発生する仕事が多いのが長時間労働の原因なので、本質的な課題解決にならない」と指摘する。

専業主婦世帯などの職員に支給する配偶者手当を巡っては、昨年10月の経済財政諮問会議で安倍晋三首相が人事院の一宮なほみ総裁に対し、見直しを要請していた。人事院の調査で「大半の企業で(見直しの)動きが見られなかった」として、廃止を含めた制度のあり方の検討は来年度以降に持ち越しとなった。

国家公務員の配偶者手当は月1万3000円で、配偶者の年収が130万円を超えると支給されなくなる。国家公務員の専業主婦世帯は4割で、約10万人が配偶者手当を受給している。専業主婦世帯を優遇する配偶者控除、社会保険料が自己負担になるいわゆる「130万円の壁」の見直し議論に先行して削減を打ち出すことは難しいと判断した。

保存
共有
印刷
その他

電子版トップ



[PR]

日本経済新聞社の関連サイト

日経IDの関連サイト

日本経済新聞 関連情報