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円借款軸に6000億円合意 日バングラデシュ首脳会談

【ダッカ=宮坂正太郎】安倍晋三首相は6日、日本の首相として14年ぶりにバングラデシュを訪れた。1億5千万人超の人口を抱えるバングラデシュは成長市場で、首脳外交で日本企業の進出を後押しした。安全保障で協力を取りつける環境づくりにも生かされ、来年10月の国連安全保障理事会の非常任理事国選挙での日本の当選が濃厚になった。

「日本の貿易・投資を拡大していく重要な国としてすぐ目についた」。安倍首相は首脳会談に先立ち、ダッカ市で開かれた企業関係者が出席する「日本・バングラデシュ・ビジネスフォーラム」であいさつし、バングラデシュ重視を強調した。

同国の人口は1億5千万人超で、世界第8位。豊富な労働力を使った繊維産業が盛んだ。隣国のインドと、東南アジア諸国連合(ASEAN)に挟まれた地理的な強みもあり、年6%程度の成長を続けている。発電所や鉄道、道路などインフラ需要は拡大している。

バングラデシュ側は日本の投資に期待を寄せる。同国は2009年に17%だった国内総生産(GDP)に占める製造業の比率を21年までに3割にする目標を掲げている。ベンガル湾沿岸地域での産業地帯建設は、日本の「太平洋ベルト」をモデルにした構想でもある。

安倍首相は首脳会談で円借款を中心に今後4~5年で6千億円の支援を伝えたが、日本の政府開発援助(ODA)としてみればベトナムやミャンマー、インドと肩を並べる大規模なものだ。IHI、清水建設、三菱重工業など約20社に同行を募り、バングラデシュ側の期待に応えた。投資拡大に向け、年内に日本から経済ミッションを派遣する方針も示した。

「両国の良好な関係を踏まえた決断に深く感謝する」。安倍首相は首脳会談後の記者発表でハシナ首相に謝意を示した。

国連安保理の非常任理事国選挙には日本とバングラデシュがともに立候補。同じイスラム教の国々や途上国に集票力があるバングラデシュは、日本が過去唯一敗れた1978年選挙の対抗馬だった。経済最優先の外交攻勢が出馬辞退につながり、外務省幹部は「日本が唯一の候補になった。大きな一歩だ」と話す。

非常任であっても、国連安保理の理事国であるメリットは大きい。経済制裁など、国連の重要な政策決定に携わることができるからだ。安倍首相は将来の常任理事国入りに意欲を示しており、日本は常任理事国と非常任理事国の双方を増やす改革を提唱している。

安倍首相のバングラデシュ訪問は、ハシナ首相を公賓として日本に招いた5月下旬から、わずか3カ月あまりで実現した。バングラデシュにとって日本は最大の援助国だが、政府関係者は「インド洋沿岸国への影響力拡大を狙う中国も、バングラデシュに大型支援を打診している」と打ち明ける。日本としては中国の影響力が増す前に、両国の友好関係を一段と強めておきたかった。

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