2019年2月17日(日)

地方創生「目玉」は小粒 16年度の新型交付金1000億円超

2015/8/5付
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政府のまち・ひと・しごと創生本部(本部長・安倍晋三首相)は4日、地方創生の柱として2016年度に創設する新型交付金を1000億円規模にする基本方針を決定した。規模は14年度補正予算で先行計上した1700億円を下回る。財政事情の厳しさを理由にあげているが、地方からは「看板政策にしては小粒だ」と、担当の石破茂地方創生相らに不満の声があがっている。

8月末の概算要求で、内閣府と関係省庁が新型交付金向けに1000億円超を計上する。

地方創生は首相の経済政策「アベノミクス」の中の重要分野。新型交付金は「地方の先駆的な取り組みを後押しする」という名目だ。政府は今年1月にまとめた14年度補正予算で試行的に「先行型交付金」1700億円を計上。全国知事会は16年度予算では「14年度補正を大幅に上回る規模」を要請していた。

概算要求を前に出てきたのは6割程度の規模。「大きければ大きいに越したことはないが、厳しい財政事情の中で予算を組んでいかないといけない」。石破氏は4日の記者会見でこう説明した。

額を積み増せないのは、財源を既存の補助金や交付金の見直しで捻出するためだ。石破氏が所管する内閣府は地方向けの2つの交付金を衣替えして約580億円を確保する。

残りの約500億円は他省庁の予算から切り出す。地方創生以外の分野で企業や独立行政法人向けの補助金などを減らして振り向ける。各省の既得権とみなされる予算を削る調整は難しく、閣僚の協力も得にくい。1000億円超を生み出すのが「ギリギリの水準だった」(内閣府幹部)という。

全国の自治体は都道府県と市区町村を合わせて約1800。単純にいえば、1自治体あたり1億円にも満たない計算だ。全国知事会の山田啓二会長(京都府知事)は「国の全面支援を期待していた地方側としては非常に不満だ」と訴える。

新型交付金を利用する事業は、半額が地方負担となる仕組みだ。石破氏は「(地方の負担も合わせた)事業費ベースでの2000億円は、14年度の補正規模を上回っている」と強調するが、地方側の関心事は国から拠出される金額だ。

「(国が配分する)地方交付税で補う措置を確実に講じてほしい」(全国市長会の森民夫会長)。地方側からは早速、こうした声も上がり始めた。

与党内では当初から「財政が苦しいのに財政出動頼みの地方創生は厳しい」(閣僚経験者)との声があった。一方で中途半端な施策ではアベノミクスの「看板倒れ」との批判を招きかねない。首相官邸や石破氏は年末まで財務省や各省、地方との難しい調整を迫られる。

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