「老いる東京」集中是正探る 創成会議、地方移住を解決策に

2015/6/4付
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日本創成会議の提言は、急速な高齢化で医療や介護の体制が追いつかない「老いる東京」の姿を浮き彫りにした。東京圏に住む75歳以上の人は、今後10年間で175万人増える。現状では有効な対策を打ち出せておらず、創成会議は地方移住を有力な解決策に据えた。移住先の自治体からは歓迎する声が出る一方、東京都や神奈川県は反発している。

創成会議によると、2025年までの介護需要は東京が38%増、神奈川48%増、千葉50%増、埼玉52%増と全国平均の32%増を上回る。ただ、全国的に見ると減少に転じた地域もあるため、移住を促して需給のミスマッチ解消を提言した。

移住先に例示された自治体は総じて歓迎ムードだ。大分県別府市は「評価されたことは正直にうれしい。交流人口を増やし、別府を気に入ってくれた人に定住してもらう」(企画部)と語る。

人口が年約3千人のペースで減少し「消滅可能性都市」にも挙げられた北海道函館市も「医療施設が充実し、介護面でも有料老人ホームなどには空きがある」(企画部)と歓迎する。

一方、神奈川県の黒岩祐治知事は4日、「移住策には違和感を覚えざるを得ない」と不快感を示した。東京都の舛添要一知事も住み慣れた場所で暮らす重要性をかねて指摘している。高齢者が地方に流出すれば、経済の活力がそがれ、税収も減るとの危機感もある。

移住者の医療・介護費を自治体間でどう分担するかも今後の課題だ。

東京都の杉並区は静岡県南伊豆町と特別養護老人ホームの整備で提携した。「特養を区内につくり続けるのは財政的に限界がある」(田中良区長)と判断したためだ。

両自治体は費用を転居前の自治体が負担する「住所地特例」制度を活用する予定だ。「移住する高齢者が今後さらに増えれば、小さな自治体の介護費用が将来的に重くなる」(南伊豆町の梅本和熙町長)ためだ。

関東周辺のある市長は「子育て世帯に来てほしいのが本音で、シニア層だけ誘致するところがあるのか疑問」と語る。

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