ネットでの買い物、月額1万円突破 1~6月 総務省調べ
総務省が4日発表した家計消費状況調査によると、1~6月のネットショッピングの消費額は平均で前年同期比24%増え、月額1万円を超えた。利用した世帯数が3割増えたことがけん引した。ネットを通じた商品やサービスの購入が身近になり、身の回りの食料品を買う動きも広がっている。需要拡大に応じて、ネット経由のサービスも多様化しそうだ。
1~6月の1世帯当たりの利用額は月1万118円。ネットショッピングを利用した世帯だけを集計すると、平均の利用額は3万円を超えた。ただ、利用経験のある世帯の消費額の伸びは3%にとどまる。全世帯合計の消費額が2割以上も増えたのは、これまで利用してこなかった世帯でもネットショッピングの利用が広がっている影響が大きい。
6月分の動向からネット消費の内訳を見ると、特に消費額が多いのが旅行関係だ。割安なホテルや航空券をネット上で見比べて購入する消費者が増えていることが背景にあり、ネットを利用した消費額の2割程度を占める。紳士用衣類が前年同月比12.6%増、婦人用も13.5%増となり、衣料品の伸びも目立つ。
飲料や食料品など身の回り品をネット上で買う人も増えており、食料は全体の14%を占めた。三井住友アセットマネジメントの宅森昭吉氏は「時間と場所の制約を超えて買い物ができるため、消費を刺激する効果もある。雑誌など、商品自体が電子化していく動きも加速して、利用はますます増える」とみる。
家計消費状況調査はネットショッピングの実態を正確に把握するため、総務省が家計調査を補完する目的で2015年にネットショッピングの詳細集計を始めた。