自動運転実験、1カ所で行政手続き 東京・愛知で
政府や東京都、愛知県は4日、企業や大学による自動運転の実証実験を支援する組織の立ち上げを決めた。国家戦略特区の区域会議のもとに「自動走行実証ワンストップセンター」を9月中に設置する。自動運転の実験前に、道路交通法などに基づく手続きの相談を受け、必要に応じて手続きを代行する。複数の行政手続きを1つにまとめ、実験を後押しする。
同日開いた区域会議で決めた。窓口は都と愛知県にそれぞれ置く。実験をする企業などは窓口で相談すれば、都や県が関係省庁や所轄の警察、運輸局と調整し、必要な情報をまとめて答えてくれる。企業は実験前の煩雑な手続きの負担が減り、実験に専念しやすくなる。
小池百合子都知事は会議後に記者団に「自動走行システムは世界の自動車産業で国家間ともいえるほどの競争を繰り広げている」と支援の意義を語った。都は必要に応じて現行法の規制を一時的に停止できる「サンドボックス特区」としての体制整備にもつなげる。
都はこのほか、フィンテック企業などが都内に進出した場合に、法人所得の20%を課税対象から差し引くよう区域会議で要望した。
政府は特区内の創業5年未満のベンチャー企業に対し、この税優遇策を認めている。内閣府は対象をフィンテック企業などに広げることを2018年度税制改正要望に盛り込んでいる。
小池都知事は5日、国家戦略特区諮問会議にも出席する。介護保険と保険外サービスを組み合わせる「混合介護」を巡り、保険内か保険外かサービスを区分できるよう「法令上の解釈を明確化する」よう政府に求める。豊島区が18年度早期に実施する方針を示しているためだ。同区は19年度から、追加料金を払い好きなホームヘルパーを選べる指名事業もできるよう検討している。