2019年1月20日(日)

メコンにODA7500億円 日本、インフラ支援

2015/7/4付
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日本とタイ、ベトナム、カンボジア、ラオス、ミャンマーは4日午前、日本・メコン地域諸国首脳会議を都内の迎賓館で開いた。2016年から18年まで3年間の協力内容を盛り込んだ共同文書を採択。日本が7500億円規模の政府開発援助(ODA)を実施し、産業基盤のインフラ整備などを進めると明記した。「質の高い経済成長」の実現を後押しし、各国と関係強化を図る。

《共同文書のポイント》
○メコン地域の「質の高い成長」実現に向け、日本が2016~18年にODA7500億円規模の支援を実施
○都市開発、エネルギー、輸送など産業基盤インフラの整備を進める
○国をまたぐメコン地域内外を鉄道や道路などでつなげる「連結性」の強化に取り組む
○米国や中国、アジア開発銀行など関係国や国際機関との連携を強化
○地域の海洋安全保障と海上安全への協力を深化。中国を念頭に南シナ海における最近の動向への懸念に留意

南シナ海情勢では、南沙(英語名スプラトリー)諸島で岩礁の埋め立てなどを強行する中国の名指しを避けたうえで、最近の動向に関して「懸念に留意」とした。メコン地域での海洋安全保障での協力深化も盛り込んだ。

安倍晋三首相は終了後の共同記者発表で「各国と地方や民間の活力を取り込んだ重層的な協力関係を構築していく」と強調した。

共同文書「新東京戦略2015」は12年にまとめた戦略を改定したもの。(1)産業基盤インフラの整備(2)法整備や人材育成の協力強化(3)防災や環境に配慮した経済発展(4)米国や中国、アジア開発銀行(ADB)などメコン地域への関与を強める国や国際機関との連携――が柱だ。

これらに役立てるODA拠出額を7500億円規模と明記。15年までの3年間で約6000億円とした前回の戦略に比べ、1500億円増やした。

メコン5カ国は東南アジア諸国連合(ASEAN)諸国の中で潜在成長力が高い地域だ。日本は港湾や道路、発電所、高速鉄道事業など産業基盤のインフラ建設で協力する。東南アジアの交通動脈でベトナムからラオス、タイを経てミャンマーをつなぐ東西経済回廊などの道路整備を通じ、地域の連結性を高める。

文書は日本、ミャンマー、タイが、ミャンマー南部で計画する東南アジア最大規模の「ダウェー経済特区」に関し「多大な潜在性と地政学的意義」を指摘、さらなる発展に貢献すると歓迎した。

日本政府はADBとも連携し、今後5年間で約1100億ドルを「質の高いインフラ投資」としてアジアに投じる方針。ASEANが年末までに経済共同体を発足させることを踏まえ、日本企業の進出が多いメコン地域に関与する姿勢を強める。

文書では、日本の戦後70年の平和国家としての歩みを高く評価すると明記。安倍首相が掲げる「積極的平和主義」のもと、メコン地域の安定と発展に一層貢献することへの期待も示した。北朝鮮の核・ミサイル開発の継続に深刻な懸念を表明し、日本人拉致問題を含む人道上の懸念に対応する重要性も確認した。

 ▼日本・メコン地域諸国首脳会議 日本とタイ、ベトナム、カンボジア、ミャンマー、ラオスのメコン川流域5カ国の首脳が出席して毎年開く会合。2009年に始まり、東京での開催は13年に続き4回目。3年ごとに協力内容を盛り込んだ合意文書をまとめている。
 メコン地域は中国、インド、東南アジアの陸海輸送の要衝で、経済成長が著しく、日本企業の重要な投資先だ。外務省によると、ミャンマーとラオスの経済成長率(2013年)は年率8%を上回る。

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