消費増税論戦が本格化 首相、現段階では上げる

2016/3/4 1:29
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参院予算委員会は3日、安倍晋三首相と全閣僚が出席する2016年度予算案の基本的質疑を終えた。注目を集めたのは17年4月に予定する消費税率10%への引き上げ。経済の先行きが不透明だとして増税先送りも取りざたされる中、首相は「現段階では引き上げていく」と改めて強調。野党は首相の姿勢を相次いで批判した。7月の参院選をにらみ、与野党の神経戦が続く。

共産党の小池晃氏は3日、パネルを手に「消費税率を8%に引き上げて以来、個人消費は冷え込んでいる」と訴えた。消費税率を3%から5%に引き上げた1997年より、14年の方が家計消費の落ち込みが大きかったとして「増税をすべきではない」と強調した。

日本を元気にする会の松田公太氏や、日本のこころを大切にする党の中山恭子氏も「個人消費の喚起が必要だ」などと増税反対で足並みをそろえた。首相が改憲勢力として期待するおおさか維新の会の片山虎之助共同代表も「税率を上げて税収が落ちるばかなことになる」と断言した。

首相は「97年の引き上げ幅は2%だったが、14年は3%だった」と指摘。「駆け込み需要が今回の方が大きく、予想以上に消費が落ち込み、現在まで続いている」と説明し「リーマン・ショックや東日本大震災のような出来事がなければ引き上げたい」と従来の見解をくり返した。

野党が消費増税を追及するのは参院選に照準をあわせているからだ。民主党の岡田克也代表は3日の記者会見で、家計消費の低迷を「政府の経済政策の限界と言える」と批判した。維新の党はもともと、再増税は延期すべきだという立場。「増税は予定通り」という言質をとっておけば今後、首相が先送りを判断したとき「引き上げに向けた経済環境を整えられなかった」「経済政策がぶれた」という批判を際立たせられるとみる。

97年の消費増税時の記憶もよぎる。当時の橋本龍太郎首相は景気低迷の引き金を引いたという野党の批判を突っぱねていたが、98年参院選前に増税後の減税措置に関する発言がぶれた。それが自民党大敗の一因になったとされる。

安倍首相も言葉を選んでいる節がある。増税については「現段階では」「基本的に」の表現を加える。3日は「家計消費の動向を注視していく。しっかりと賃金が上がっていく経済状況をつくるなかで消費税率を引き上げたい」と述べ、消費や賃金動向も判断材料にする考えを示した。

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