14年度補正予算が成立 経済対策3.5兆円、効果は不透明

2015/2/3付
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 3.5兆円の緊急経済対策を盛り込んだ2014年度の補正予算が3日、参院本会議で成立した。政府は今回の経済対策で国内総生産(GDP)を実質0.7%程度押し上げられるとみている。ただ経済効果の不透明な対策も紛れ込んでおり「押し上げ幅は政府の想定より小さくなる」(シティグループ証券の飯塚尚己エコノミスト)との指摘がある。

参院予算委で補正予算案が可決され、自民党議員と握手する安倍首相(3日)

 経済対策が必要なのは、昨年4月の消費増税以降、14年7~9月まで2期連続で経済成長率がマイナスになったためだ。対策の規模は12年度の10兆円超、13年度の5.5兆円に比べると小さく、公共事業よりも消費や地方の支援に軸足を置いたのが特徴といえる。

 ただ、国の借金が1千兆円を超える厳しい財政状況のなか、効果的な対策と言い切れるかは微妙だ。たとえば3600億円計上したエネルギーコスト対策。企業の省エネ設備の導入支援や漁業者の経営支援などが盛り込まれたが、原油価格の大幅な下落で必要性が薄れている面は否めない。

 対策の目玉であるプレミアム商品券の発行支援などに使える交付金(2500億円)も、商品券の発行が経済対策として有効か十分な検証がないまま盛り込まれた。「効果が分かりにくい対策が多く、統一地方選向けの色彩が強い」(飯塚氏)との声がある。

 そもそも、原油安は「日本にとって年7兆円のプラスになる」(甘利明経済財政・再生相)。消費再増税を17年4月に1年半先送りしたこともあり「いま経済対策をやる必要性は乏しい」(第一生命経済研究所の熊野英生首席エコノミスト)との指摘も根強い。

 経済対策の財源になるのは、想定金利が高すぎるために生じる国債費の使い残しや税収の上振れ分だ。今回の補正予算では余ったお金をすべて経済対策に使うのではなく、7571億円を国債発行の減額に回した。

 15年度の基礎的財政収支の赤字幅を10年度比で半分にするとの目標があるため、歳出の増大にある程度歯止めがかかった形だが、来年度以降はどうなるか。経済対策の名目で補正予算に不要不急の施策が紛れ込むようであれば、財政再建は難しくなりそうだ。

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