医療費1人31.4万円で過去最高 14年度2%増
現役世代の負担増加

2015/9/3付
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厚生労働省は3日、2014年度の1人あたり医療費が31.4万円と2.0%増え、過去最高を更新したと発表した。高齢化に加えて、医療の進歩で高価な薬や機器が増えており、総額も40.0兆円と1.8%増えた。保険料や税金を多く納める現役世代の負担が膨らんでおり、効率化に向けた制度の見直しが欠かせない。

医療費は患者負担と保険給付を合わせたコストの合計額。総額の伸び率1.8%のうち、1.2%分は高齢化が、0.6%分は医療の高度化などが押し上げた。伸び率はかつては3%前後で推移していたがここ3年は2%前後の水準だ。「割安な後発医薬品(ジェネリック)が増えているほか、手厚い看護を施すベッドを減らしたことが大きい」(厚生労働省)という。

1人あたり医療費は、75歳以上が93.1万円と0.5%増えた。75歳未満(21.1万円)の4.4倍にあたる。75歳以上が人口に占める割合は12.5%だが、医療費総額に占める割合は36.3%で0.2ポイント上がった。

今回40兆円に膨らんだ医療費の財源を見ると、患者の窓口負担は1割強にすぎない。窓口負担は原則3割だが、75歳以上は1割ですむことが一因だ。残りの5割を保険料、4割を税金でまかなっている。現役世代が保険料や税を通じて高齢者を支える構図が鮮明だ。

社会保障制度は収入のある現役世代が高齢者を支える。ただ、少子高齢化が急速に進む日本で今の仕組みを放置すると現役世代や企業の負担が膨らみ、経済活動に水を差しかねない。大企業の健康保険組合の保険料率は15年度に9%と8年連続で上がった。医療の効率化が求められる。

所得や資産のある高齢者に一定の負担を求めることも課題だ。例えば70歳以上の窓口負担の上限額は、現役世代と同じ所得があっても安くなる。

今年末には医療サービスの公定価格に当たる診療報酬の改定も控えている。大病院の前に並ぶ門前薬局の報酬などをどこまで削れるかが焦点だ。

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