世界の景気回復もたつく OECD見通し、下方修正

2015/6/3付
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世界の景気回復がもたついている。経済協力開発機構(OECD)は3日発表した最新の経済見通しで、2015年の世界の実質経済成長率の見通しを3.1%と、前回14年11月時点の3.7%から下方修正した。年初の米国景気の一時的な低迷や、中国の景気減速が背景にある。

日本経済の成長率見通しは15年を0.7%と、前回から0.1ポイント引き下げた。消費増税後の反動減からの回復が遅れたためだ。一方、先行きは「消費者心理は改善しており、賃上げやボーナスも加わって消費は回復していく」(OECD経済局)と見ており、16年は1.4%と前回から0.4ポイント上方修正した。

海外景気の回復の足取りは弱そうだ。米国の見通しは15年を2.0%、16年を2.8%とした。前回と比べ、15年は1.1ポイントと大きく引き下げ、16年も0.2ポイントの下方修正となった。15年1~3月に悪天候でマイナス成長になったうえ、利上げ観測の台頭に伴うドル高が企業収益を圧迫しているためだ。

ただ米国の経済指標は足元で明るさも見えている。OECDも労働市場の改善を背景に家計の消費や住宅投資が回復し、強い成長を取り戻すとのシナリオは崩していない。

中国の見通しも下方修正した。15年は前回より0.3ポイント低い6.8%、16年は0.2ポイント低い6.7%とした。不動産投資や設備投資の減速や、供給過剰に陥っている製造業の投資効率の低下が成長を下押しするとみている。

中国政府は15年の成長率を「7%前後」とする目標を掲げている。OECDの見通しは政府目標を下回る格好となり、景気減速への警戒感がにじむ。日本にとっても「中国の減速が深刻になることが最大のリスク」(OECD)と位置づけた。

報告書では主要国に共通する課題として、生産性の伸びが弱まっていることを指摘した。経済を高い成長ペースに乗せるため、設備投資の増加が必要だと強調。各国当局に投資を促す政策の実施を求めた。

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