大企業健保の負担増へ 医療改革法案を閣議決定
政府は3日午前の閣議で、公的医療保険制度改革の関連法案を決定した。財政難に陥っている国民健康保険(国保)の運営を支援するため、大企業の健康保険組合の負担を引き上げるのが柱だ。国保の運営も2018年度から都道府県に移す。近く通常国会に同法案を提出する。
国保は、年金生活者や非正規社員の加入が多く財政基盤は弱い。運営主体を市町村から都道府県に移し、公費3400億円を毎年投じて財政をてこ入れする。都道府県は、医療費目標を盛り込んだ計画も作り、病気の予防や割安な後発医薬品の普及などで、医療費の抑制に努める。
国保支援の財源は、財政余力があるとされる大企業健保の負担を15年度から3年かけ段階的に増やすことで捻出する。塩崎恭久厚生労働相は閣議後の記者会見で「(公的医療保険は)助け合いの仕組みだ」と理解を求めた。
患者に対しても、入院時の食事代を16年度と18年度の2段階で引き上げ負担を増やす。法案には、保険診療と保険のきかない診療を併用する「混合診療」を、16年度から患者の申し出によって迅速に受けられるようにする拡充策も盛り込んだ。