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日銀、個人消費の新指標 家計調査より正確に把握へ

日銀は2日、国内総生産(GDP)の6割弱を占める個人消費の動きをより正確に捉えるための月次指標を開発した。スーパー販売など供給側の統計のみを使い、自動車や家電など42品目のモノやサービスを調べた。調査世帯が偏り消費の実勢を映していないとの批判がある総務省の家計調査に代わる指標と位置づける。今後の景気判断や政策運営に生かしていく。

日銀が開発したのは「消費活動指数」。3月分の指数を今月13日、その後は毎月第5営業日の午後2時に公表する。

新指標は小売店や病院、自治体を調査対象にした供給側の統計のみで作った。商業動態統計や特定サービス産業動態統計調査など政府統計のほか、自動車や外食では業界団体の統計を使う。

インターネット販売も、店舗を構える小売店が売ったケースなら指数に反映されることもあるという。名目値のほか、物価変動を加味した実質値も示す。

供給側の統計の積み上げだと、GDPの計算で輸出に含める訪日観光客の消費もカウントしてしまう。日銀はGDPベースの個人消費の定義に合わせるために、国際収支統計をもとにインバウンド消費を除き、日本人の海外旅行などでの消費を加えた指数も算出する。

新たな指数をみると、2014年4月の消費増税後は停滞が長引いている。サービス消費はスマートフォン需要が膨らむ携帯電話通信料や医療・介護への支出が増えているが、耐久財や非耐久財への消費は増税前の駆け込み需要の反動などでさえないままだ。

日銀は「天候不順や株安に伴う逆資産効果も消費の足を引っ張った」と分析している。17年4月に消費税率の10%への引き上げも控える中、消費の動向を正確にいち早く分析し、政策に反映させることが求められる。

これまで消費を捉える統計では調査対象に家計簿を記入してもらう家計調査のほか、店舗の販売データを集めた商業動態統計などが重視されてきた。四半期ごとに算出するGDP速報の基礎統計となっているためだ。

GDPの速報値は各四半期末のおよそ1カ月半後に公表しており、日銀の新統計は速報性で勝る。GDPの確報値はその後、経済産業省の工業統計など精緻だが公表までに時間がかかる統計を使い、計算し直す。

GDP確報値は「消費動向を把握するうえで最も精度が高い」(日銀)が、公表までに1~2年も要する。それまでは家計調査などで消費の流れを分析するしかない。しかし家計調査は家計簿記入の負担から、対象が高齢者世帯や専業主婦世帯に偏り「消費の実勢をつかみにくい」(日銀)との指摘があった。

日銀によると、14年のGDP確報ベースの実質個人消費は10年より2.6%増加した。消費活動指数も2.6%上昇したが、家計調査の実質消費支出は0.2%低下し、大きく異なっている。

日銀は14年秋から、物価でも「生鮮食品とエネルギーを除くベース」という独自指標を公表している。原油価格の急落が消費者物価指数(CPI)を大きく押し下げるなか、物価の基調を的確に押さえるために必要と判断したためだ。2%の物価上昇目標の達成時期を先送りする中で、消費に関しても新たな「モノサシ」を加える。

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