農水産物輸出、7452億円で最高 15年21.8%増
アジア向け74%

2016/2/2 10:43 (2016/2/2 11:51更新)
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農林水産省は2日、2015年の農林水産物・食品の輸出額が前年比21.8%増の7452億円となり、3年連続で過去最高を更新したと発表した。海外で和食人気が広がったことや、円安で日本産に割安感が出ていることが主な要因。輸出先国が日本の農産物の輸入規制を緩めたことも追い風になった。政府は20年に1兆円に伸ばす目標の前倒し達成を目指す。

輸出先を国・地域別に見ると香港が33.5%増の1794億円で首位。2位は米国で14.9%増の1071億円だった。台湾も13.8%増の952億円と好調で中国、韓国が続いた。アジア向けが7割強を占めた。

品目別ではホタテが最も多く、32.3%増の591億円。ホタテの生産・輸出を手掛ける寺本商店(北海道湧別町)は「中国や韓国の引き合いが強く、単価は昨年の1.5~2倍になった」と話す。魚介類ではサバ(55.4%増の179億円)やブリ(38.2%増の138億円)も好調で、東南アジア向けを中心に伸びている。

農畜産物ではリンゴや和牛の伸びが目立った。リンゴは55.0%増の134億円、和牛も34.6%増の110億円となり、いずれも初めて100億円の大台を超えた。台湾などに「ふじ」などを輸出する丸金丹代青果(青森県つがる市)は「大ぶりで見栄えがよく安心・安全な日本のリンゴの人気は高い」という。

海外の和食レストランは15年7月時点で8万9千店。13年には和食は国連教育科学文化機関(ユネスコ)の世界無形文化遺産に登録された。こうした和食人気の高まりも背景に日本酒の輸出は21.8%増え、しょうゆも2ケタ増だった。

各国との検疫協議で輸出できる品目が増えていることも追い風だ。昨年9月にはリンゴがベトナムに、同12月には和牛をブラジルにそれぞれ輸出できるようになった。

輸出拡大をにらみ、物流業者も対応を急いでいる。ヤマト運輸は水産卸など大口客向けに割安な保冷輸送サービスを検討している。13年に始めた小口輸送の「国際クール宅急便」は国内各地で出荷した翌々日に香港などで宅配するスピードが売り物だが、段ボール1箱で運賃が2万円ほどかかっている。価格を引き下げて使いやすくし、輸出増を後押しする。

航空便よりも輸送費が割安で野菜などを運ぶのに適した船便でも、日本郵船グループがコンテナ内を低温・低酸素状態にして鮮度を保つ国際輸送を展開。商船三井も2月中旬、子会社のMOL JAPAN(東京・港)を通じて同分野に参入する計画だ。

ただコメ輸出は途上国への援助米を除くと22億円(56.4%増)にとどまった。割高な価格などがネックになっている。

環太平洋経済連携協定(TPP)が発効すれば、日本を除く参加11カ国は農産物の98.5%の品目で関税を撤廃する。鹿児島県食肉輸出促進協議会は「和牛は米国などでは国内の2~3倍の高価格で売れており、TPPで一段と好機が広がる」と期待する。

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