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退位特例法、一代ごと法整備「先例に」 衆院委で可決

天皇陛下の退位を実現する特例法案が1日、衆院議院運営委員会で自由党を除く全党の賛成で可決された。2日に衆院本会議で可決され、参院に送付、来週にも成立する見通し。各党は皇位の安定継承に向け「女性宮家」創設の検討などを盛り込んだ付帯決議も採択した。1日に答弁に立った菅義偉官房長官の発言から、天皇退位のあり方や皇位安定継承策への政府の見解を読み解いた。

 「法案作成のプロセスや基本的な考え方は将来の先例となり得るものと考えている」

政府は法案を陛下の一代限りの退位を認める特例法とするため、1条に陛下の退位に至る事情を詳細に記した。一般化を避け、退位が今上陛下の個別の事例であることを強調するためだ。陛下が高齢により公務の継続が困難になることを「深く案じておられる」と指摘し「国民は陛下のお気持ちを理解し共感している」と明記した。

政府には制度を恒久化すれば恣意的・強制的な退位の余地が生まれ、憲法4条が禁じる天皇の政治行為・利用と抵触する懸念があった。一方、菅長官は将来の天皇が退位する場合、その都度、同様の特例法を制定すれば退位が可能となるとの認識を示した。

3月に衆参正副議長がまとめた国会提言では、制度の恒久化を求める野党を中心に法案を将来の先例に位置づけるべきだとの声が上がった。政府は幅広い合意形成をはかるため、野党に配慮を示した。

 「皇族数減少などの問題は先延ばしすることができない重要な課題だ」

政府は付帯決議に盛り込まれた「女性宮家」創設の検討には、具体的な答弁を避けた。女性宮家は女性・女系天皇につながりかねないとの懸念から自民党の支持基盤である保守層からの反対が根強い。委員会に先立ち与野党間で続けられた付帯決議の事前協議でも、女性宮家創設を主張した民進党と与党の間には溝があった。

付帯決議では最終的に、政府が検討結果を国会に報告する期限を設けないことで折り合った。検討開始時期は、民進党が求めた「法成立後」ではなく「法施行後」速やかに、と記している。だが、菅長官は「法施行後の具体的な検討に向けて適切に対応したい」とも述べ、法施行前に検討に入る可能性も示唆した。

 「退位に向けた調整は法案成立後に開始すべきものだ」

特例法が成立すれば退位に向けた具体的な準備が加速する。来年には退位日の制定や新元号の選定が行われる見通しだ。

退位日となる特例法の施行日は、法律公布から3年を超えない範囲で皇室会議の意見を聞いて定めるとされている。質疑の中では「3年は長い」との指摘が民進党などから上がった。菅長官は「改元などの準備に必要な期間を判断することは難しい。国民生活への影響を考慮しないといけない」と述べ、具体的な時期は明らかにしなかった。

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