2019年6月17日(月)

対インド投融資、5年で3.5兆円 日印首脳会談

2014/9/2付
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安倍晋三首相とインドのモディ首相は1日、都内の迎賓館で約2時間会談し、共同声明に署名した。今後5年間で日本がインドに官民で約3.5兆円の投融資をし、直接投資額や進出企業数を倍増させる目標を明記した。日本政府は交通インフラや工業団地の整備などを後押しする。外務・防衛閣僚級協議(2プラス2)創設を念頭に置いた対話強化など安全保障分野で連携を深める姿勢も打ちだした。

会談を前に握手する安倍首相とインドのモディ首相(1日午後、東京・元赤坂の迎賓館)

会談を前に握手する安倍首相とインドのモディ首相(1日午後、東京・元赤坂の迎賓館)

首脳会談は最初に少人数での会合、続いて参加者を増やした全体会合を開いた。会談や共同記者発表で、安倍首相は日印関係を「最も可能性を秘めた関係だ」と表明。モディ首相も「我々の協力は上限が無い」「21世紀のアジアがどんな世紀になるかは日印の動きで方向が決まる」と応じた。

インドは人口12億人超で中国に次ぐ巨大市場。モディ首相は「モディノミクス」と呼ばれる経済政策のもとでインフラ整備や外国投資の誘致を進め、日本に協力を求めている。昨年の日本の対インド直接投資額は2102億円、進出企業数は1072社(10月時点)。日本政府は日印の経済規模を考えると、関係拡大の余地は大きいとみる。

モディ首相は、投資促進に向け「税制や行政規制、金融規制を含むビジネス環境の更なる改善を行う」と強調した。安倍首相もインフラ金融公社向けの約500億円などの円借款供与や「電子産業工業団地」の設置を約束した。高速鉄道や主要都市の地下鉄整備などでも協力する方針だ。

日本からの原発輸出の前提となる原子力協定交渉では「早期妥結に向けて交渉をさらに加速する」とした。両首脳はインド産レアアース(希土類)の共同生産や日本への輸出での合意を歓迎する意向を示した。

5月に就任したモディ氏が2国間会談のため主要国を訪問するのは初めて。「日印特別戦略的グローバル・パートナーシップに関する東京宣言」と題した共同声明は、今回の会談を「日インド関係の新時代の幕開け」と位置付けた。「(両国は)アジアで最大かつ最古の民主主義国だ」と訴えた。日印の関係強化は、軍事力を背景に海洋進出を強める中国をけん制する狙いもある。

両首脳は安全保障面での連携強化にも意欲を示した。年内に両国の外相間の戦略対話と防衛相会談を開くことを確認。次官級による外務・防衛当局協議を強化する方策を検討するとした。海上自衛隊とインド海軍の共同訓練の定期化も合意。防衛装備協力推進のための事務レベル協議を始め、救難飛行艇「US2」のインドへの輸出に向けた議論の加速も一致した。

国際社会での連携では、日米印の3カ国外相会談の開催や日印両国にオーストラリアを加えた外相会談の検討開始も確認。日印はともに国連安全保障理事会の常任理事国入りを目指す。両国は安保理改革に関して、国連創設70年にあたる2015年までに具体的成果を追求すると明記した。

15年に安倍首相がインドを訪問することも確認した。

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