新設住宅着工、2016年は6.4%増 貸家着工は8年ぶり高水準
国土交通省が31日発表した建築着工統計調査によると、2016年の新設住宅着工戸数は前の年に比べて6.4%増え96万7237戸となった。2年連続で増加した。2013年(98万25戸)以来3年ぶりの高水準だった。相続税の節税対策でアパートなど貸家を建てる動きが活発化し、全体をけん引した。日銀のマイナス金利政策などを受けた低金利の長期化も住宅建設の追い風となった。
貸家は前年比10.5%増の41万8543戸だった。5年連続で増加し、08年(46万4851戸)以来8年ぶり高水準を記録した。
注文住宅など持ち家は3.1%増の29万2287戸と3年ぶりに前年実績を上回った。分譲住宅は3.9%増の25万532戸。うち一戸建ては8.2%増の13万3739戸だったが、分譲のマンションは11万4570戸と0.9%減少した。
併せて発表した16年12月の新設住宅着工戸数は前年同月比3.9%増の7万8406戸だった。6カ月連続で増加した。QUICKがまとめた市場予想の中央値は8.6%増だった。季節調整済みの前月比では3.2%減少した。
内訳をみると、持ち家が6.5%増の2万3890戸と11カ月連続で増加した。貸家は2.2%増の3万4475戸。14カ月連続で前年実績を上回ったが、前の月(15.3%増)に比べて伸び率は縮小した。
分譲は4.6%増の1万9787戸と2カ月ぶりに増えた。うちマンションが10.7%増で、一戸建て住宅は0.6%増だった。〔日経QUICKニュース(NQN)〕