日銀展望、21年度の物価見通しを維持 保護主義のリスクを強調

2019/7/30 12:30
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日銀は29~30日に開いた金融政策決定会合で、3カ月に1度示す「経済・物価情勢の展望(展望リポート)」をまとめた。政策委員が示した2021年度の消費者物価指数(CPI、生鮮食品を除くベース)の上昇率見通しは1.6%と、前回4月時点(1.6%)から据え置いた。19年度と20年度については、消費税率引き上げと教育無償化政策の影響を除き0.8%、1.2%と前回4月時点からいずれも0.1ポイント下方修正した。

展望リポートでは、物価について「プラスで推移しているが、景気の拡大や労働需給の引き締まりに比べると、弱めの動きが続いている」との見方を示したほか、リスクバランスは経済、物価の見通しについて、ともに「下振れリスクの方が大きい」と指摘した。ただ、マクロ的な需給ギャップがプラスの状態が続くもとで、中長期的な予想物価上昇率も徐々に高まるとみられるとし、消費者物価の前年比は「2%に向けて徐々に上昇率を高めていく」との見通しを変えなかった。

成長率見通しについては21年度と19年度を下方修正し、20年度は据え置いた。21年度の実質国内総生産(GDP)成長率見通し(中央値)は1.1%(前回は1.2%)、20年度は0.9%(前回0.9%)、19年度は0.7%(前回0.8%)だった。

国内景気については、輸出・生産や企業マインド面に海外経済の減速の影響がみられるものの、所得から支出への前向きの循環メカニズムが働くもとで「基調としては緩やかに拡大している」と、6月の前回会合の認識を維持した。先行きの国内経済については「2021年度までの見通し期間を通じて、拡大基調が続くとみられる」との見方を維持した。

経済のリスク要因として、前回4月と同様に海外経済の動向、消費税率引き上げの影響などを挙げたが、海外経済について「特に、保護主義的な動きによる影響の不確実性が高まっている」と、リスクが増していることを強調した。物価のリスク要因についても、特に海外経済の下振れリスクが大きいとして「顕在化した場合には、物価にも相応の影響が及ぶ可能性がある」と指摘した。

〔日経QUICKニュース(NQN)〕

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