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「利下げでトランプ氏再選リスク」元FRB重鎮、異例の警鐘

2019/8/28 9:11
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前ニューヨーク(NY)連銀総裁ダドリー氏が政治的理由で米連邦準備理事会(FRB)に予防的利下げを思いとどまるように説得する寄稿を外電で発表した。

「FRBは選択に直面している。トランプ政権が貿易戦争をエスカレートさせて破壊的な道をたどることを可能にするのか、あるいは、このままではトランプ氏が次期大統領選で敗北するリスクを負うという明確なシグナルを送るのか」

「トランプ大統領の再選は、米国そして世界経済に脅威だ。FRBの独立性と雇用とインフレ目標達成にも脅威になる。金融政策の目的が最善の経済状況を達成することであれば、FRBは自らの決定が2020年の政治状況にも影響を与えることを考慮すべきだ」

NY連銀総裁といえば、米連邦公開市場委員会(FOMC)でも「常任」投票権を持ち主導的地位にある。ダドリー氏もイエレン氏(前FRB議長)を強く支持して、FRBのハト派的金融政策推進に貢献した。当時、ダドリー氏の発言が市場を動かした事例も少なくない。

それだけに、民主党員であるダドリー氏の政治的発言は、NY市場を驚愕(きょうがく)させたと言っても過言ではない。筆者も驚いた。

FRBが直ちに「FRBの政策決定に政治的考慮は断じてない」と異例の声明を出したことも、衝撃の強さを物語る。

おりから、トランプ大統領は27日にも、FRBを非難するツイートを書き込んでいた。

「FRBは我が国製造業が輸出関連で苦しむのを見て楽しんでいる。FRBは、あまりの長期間にわたって、間違いを続けた」

ここまで言われても黙っているのか、とダドリー氏はパウエルFRB議長に言いたいように見える。しかし、市場では、さすがに、ダドリー氏の露骨ともいえる変身にはついてゆけないようだ。

トランプ氏の金融政策介入には反対だが、FRB自らが金融政策で政治に介入することには同調できない、との声が目立つ。こういう発言はトランプ氏の政治的介入をかえって増長させる、との懸念も指摘される。

パウエル氏は、FRBの政治的独立は断固死守する姿勢を明らかにしている。しかし、トランプ氏は、空席の2つのFRB理事ポストに、トランプ支持派を送りこむことで、徐々にFRBをトランプ色に染める動きを見せている。市場と大統領の同時利下げ催促に直面しているのだ。ここで9月利下げ決定となれば、圧力に屈したとの謗(そし)りも受けかねない。かといって、元身内からの「激励」もありがた迷惑であろう。

27日のNY株式市場では、逆イールドが拡大して株下落要因になっただけに、金融政策動向には極めて神経質になっている。米長短金利が全て米政策金利を下回るという「金利沈没現象」も市場の不安感をあおる。

それだけに、昨年まで市場の注目を浴びていたFRB重鎮の発言を無視もできないのだ。

豊島逸夫(としま・いつお)
 豊島&アソシエイツ代表。一橋大学経済学部卒(国際経済専攻)。三菱銀行(現・三菱UFJ銀行)入行後、スイス銀行にて国際金融業務に配属され外国為替貴金属ディーラー。チューリヒ、NYでの豊富な相場体験とヘッジファンド・欧米年金などの幅広いネットワークをもとに、独立系の立場から自由に分かりやすく経済市場動向を説く。株式・債券・外為・商品を総合的にカバー。日経マネー「豊島逸夫の世界経済の深層真理」を連載。
・公式サイト(www.toshimajibu.org)
・ブルームバーグ情報提供社コードGLD(Toshima&Associates)
・ツイッター@jefftoshima
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