一橋大などが新物価指標を開発 新商品投入での実質値上げも考慮
一橋大学経済研究所の阿部修人教授と調査会社のインテージ、新日本スーパーマーケット協会は27日、小売店の販売データを活用した新しい物価指標「SRI一橋単価指数」を開発したと発表した。前年になかった新商品の価格動向を含めて物価を測れることが最大の特徴。5月をメドに定期的なデータの公表を始める予定だ。
昨年には先行して「SRI一橋大学消費者購買指数」という物価指数を週単位で公表している。スーパーやコンビニエンスストア、ドラッグストアなど全国約4000店の販売データを元に物価動向を指数化したものだが、平均的な小売店では商品名で見て約5割弱、売上ベースで約35%の商品が1年間に入れ替わる。前年同期と価格を比較する際に、新商品や販売しなくなった商品の価格は比較できないという問題点があった。
新たに作成した「SRI一橋単価指数」は、商品のカテゴリーごとに量に応じた販売単価に直して比較することで、新商品の投入による物価変動も含めて動向を把握できるようにした。新指数によると、物価は前年比で1~1.5%程度の上昇幅で推移している。消費者物価指数(CPI)の食料品や日用品のカテゴリーが消費増税後に低下傾向にあるのとは対照的で、新商品の投入による「実質値上げ」の影響がかなり大きいことが明らかになった。〔日経QUICKニュース(NQN)〕