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父の遺産を相続、利回りのいい投資信託で運用したい

運用相談室

資産運用の悩みは人それぞれ。投資信託をどう選んだらいいのかも年齢や収入、投資経験などで違ってくる。日経電子版(PC版)の検索機能を使いながら、投信選びのヒントを資産運用のプロが解説する。今回助言してくれるのは、独立系金融アドバイザー(IFA)の村山晃一氏。

【相談内容】開業医のLさんは48歳の男性。専業主婦の妻と高校生、中学生の子ども、実母の5人で暮らす。父が他界して遺産を相続し、相続税を支払った後に現金が8000万円ほど残った。このお金で以前から興味があった投資信託を購入しようと考えている。生活費や老後資金に不安はないので大きく増やす必要はないが、資産を守りつつ利回りのいい商品を選びたい。値動きを気にせず投資できるスタイルが希望。

「守り」と「攻め」のバランスを

投資信託は資産の分散効果が期待できるので、非常にいい選択肢だと思います。ただし、「投資信託=安定的な投資」とは限りません。相場がどう動くかを正確に予測するのは、運用のプロでも難しいといわれています。「資産を守りつつ増やせる」投資信託を見つけるのは簡単ではありません。

個人投資家が自分でコントロールできるのは、「リスク」と「コスト」です。この2つの点から運用戦略を練っていきましょう。まず「リスク」についてです。誤解されがちなのですが、「危険性」という意味ではありません。金融の世界では「振れ幅」を表す言葉で、想定リターンからの上下のブレを指します。このリスク管理をベースに考える投資手法を「コア・サテライト戦略」と呼びます。

「コア資産」は守りの資産、「サテライト資産」は攻めの資産のことです。つまり、ご自身の資産を債券などの「守り」と株式などの「攻め」のポジションに分け、資産全体のリスクをコントロールしながらどう運用していくかを考える戦略になります。このバランスは一人ひとりの資産状況や人生のゴール設定に合わせて考えることが重要です。

コストや運用効率もチェック

次は「コスト」についてです。日本人はこの意識が薄いといわれています。一般的に有価証券に投資する際は、買い付けコスト、売却コスト、保有コストを考える必要があります。投資信託は商品によって各コストが大きく異なるため、買う前にしっかり調べておきましょう。特に保有している間に継続的にかかる信託報酬は見落とされることが多いため、しっかりチェックしなければなりません。

コストだけにとらわれてしまい、パフォーマンスを度外視してもいけません。投資信託を選ぶときには、「運用効率」に注目するのもいいでしょう。それを表す指標が「シャープレシオ」です。この数値が高い投資信託ほど、運用でとったリスクに見合ったリターンを上げているといえます。

それでは実際に運用効率のいい投資信託を探してみましょう。日経電子版の検索機能を使います(▼マーケット→投資信託→投資信託サーチ→詳細版)。図表を参考に項目にチェックを入れてください。

あくまで事例ですが、今回は「コア資産」に先進国債券(投資適格)で運用するタイプ、「サテライト資産」には先進国株式で運用するタイプから選びます。この手順で検索すると、それぞれのタイプ(分類)の平均よりシャープレシオが高い投資信託、つまり運用効率が相対的にいい投資信託を一覧で見ることができます。

Lさんの場合、相続金額分だけで運用を考えるのではなく、家計の資産全体や今後入ってくるであろう資産のバランスから最適なポートフォリオを組成することを目指すべきかもしれません。生活費や老後資金に不安がないことや、48歳というご年齢だけを考えると、サテライト資産をある程度保有されてもいいですし、万が一の備えや「値動きを気にしたくない」というご意向を優先するなら、コア資産をしっかり抑えておくという考え方もあります。最近は人生設計や生活スタイルなどに適した運用プランを助言できる専門家も増えているので、困ったときには気軽に相談してみてください。

村山晃一氏
大手証券勤務を経て、ジャパン・アセット・マネジメント(東京・千代田)入社。相続関係にも強みを持つ。

(QUICK資産運用研究所)

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