買い安心感も上値重く、米中大詰めで神経質
(先読み株式相場)
27日の東京株式市場で日経平均株価は続伸も上値が重そうだ。前日の米ダウ工業株30種平均が連日で最高値を更新し、買い安心感が継続するとみられている。円相場が1ドル=109円近辺と落ち着いた動きとなっていることも支えになるだろう。ただ、高値警戒感から利益確定の売りも出やすい。上値は前日を130円程度上回る2万3500円近辺との見方が多く、12日に付けた年初来高値(2万3520円)の更新は難しいだろう。
前日のダウ平均は55ドル(0.2%)高の2万8121ドルで終えた。米中貿易協議の進展期待に加え、家電量販店大手のベストバイが通期の業績見通しを引き上げたことなどを背景に、年末商戦時の個人消費に強気な見方が広がった。
短期的な相場の過熱感が意識され、上値は重かった。米長期金利が低下したことも米金融株の重荷となった。大阪取引所の夜間取引で日経平均先物12月物は前日の清算値を30円上回る2万3410円で取引を終えた。
米中協議の進展観測をきっかけに前日の日経平均は一時300円を超す上げとなり、年初来高値を上回ったが、その後は伸び悩んだ。協議が大詰めを迎え、投資家が神経質になっており、きょうも米中関係を巡るニュースに相場が上下に振れる展開が予想される。
例年11月下旬から12月上旬は機関投資家による配当再投資の買いが入りやすい時期とされている。需給をある程度支えそうだ。
日本時間午前に10月の中国工業企業利益が発表される。
〔日経QUICKニュース(NQN)〕