2018年7月22日(日)

アサツーDKの植野社長独立役員「取締役会に緊張感」

2014/8/27付
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 アニメなどのコンテンツビジネスに強みを持つアサツーディ・ケイ(9747)は、外国人株主の比率上昇をきっかけに独立役員を6人(社外取締役と社外監査役を3人ずつ)採用した。植野伸一社長(60)は「(各事業に対し)厳しい意見を述べることもあり、取締役会の緊張感が高まった。こうした雰囲気は現場にも行き渡り、会社の収益力が改善した」と効果を強調した。

植野伸一 アサツー ディ・ケイ社長

植野伸一 アサツー ディ・ケイ社長

――いちはやく2012年度から独立役員を導入しました。

 「10年ごろから社内で議論を始めた。外国人株主の比率(現在は約65%)が高まってきていたため、グローバル化の視点で経営をみたときに経営の透明性や質を上げる必要があると判断した。同じ価値観を持つ者が過去の経験に基づいて話し合う社内議論にとどまらず、客観的な意見を取り込み開かれた経営を目指そうと考えた」

 「広告枠をクライアントに売って手数料を得る従来型のビジネスから、様々なデータを分析し消費者の購買行動に合わせて広告を打つ『ソリューションビジネス』に主戦場が移りつつあったことも背景の一つだ。かつては奇抜なアイデアを生み出すクリエーター集団が作品を創り出す要素が強かったが、今ではビジネスになりづらくなっている面もある。新ビジネスを生み出すうえで、IT(情報技術)やデジタルに関する知識や経験が豊富な方に客観的かつ現実的な意見を聞くことを求めた」

――現在の独立役員の陣容は。

 「社外取締役はスカパー・エンターテイメント社長などを歴任した木戸英晶・IMAGICA TV会長と、大手コンサルティング会社で働きベンチャーキャピタルも運営する梅田望夫氏、弁護士の牛島信氏の3人だ。木戸氏は放送会社や通信事業の経験が長い。梅田氏はデジタルの世界に精通し、M&A(合併・買収)を中心に成長に向けた投資などで助言をもらえると期待した。牛島弁護士には社内論理で決めがちな株主や顧客との付き合い方をアドバイスしてもらっている」

 「社外取締役とは別に社外監査役も3人いる。取締役と監査役合わせて13人のうち6人が独立役員だ。社外監査役は金融機関出身や弁護士の方々で構成する。第三者の立場から取締役会を監視してもらっている」

――成果は出ていますか。

 「月1回の取締役会に良い緊張感が出てきた。執行役員の間でわかったつもりではいけないとの自覚が生まれ、取締役会での議論が深いものになった。決めたことを実行する責任感やできなかった際の対応策をより細部まで突き詰めるようになったとも感じている。こうした厳しさは現場への指示につながっており、社内全体でコスト管理が厳しくなった」

 「ソリューションビジネスなど業容の拡大にも役立っている。他社との業務提携に加え、5月には消費者の購買動機を分析する会社を設立した。広告ビジネスは多様化している。M&Aの是非や投資効果を見極めるために、独立役員の客観的な見方を重視している。良きアドバイザー的存在だ」

――現在の体制に満足していますか。

 「十分機能しており、人数を含め当面は変えないつもりだ。任期については社外監査役は1期4年、社外取締役は1年ごとの契約更新を続ける。社外取締役は1年ごとに自身の成果に責任を持ってもらうためだ。会社として中長期的な目標を掲げているが、まずは足元の課題に取り組み、短期的な積み重ねが重要だと考えている」

〔日経QUICKニュース(NQN) 原欣宏〕

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