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株価急反発、これからどうなる プロの視点は

2020/3/25 10:27
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24日の米ニューヨークダウ工業株30種平均は史上最大の上げ幅で急反発した。ニューヨークでは金融・資本市場だけが一足早く「封鎖解除」のごとき、株式への買いの「嵐」だった。

その実態は、これまで売り注文を出し続けていたコンピュータープログラムによる自動発注「アルゴリズム取引」が、「2兆ドル規模の米経済対策、議会で合意近し」の見出しに反応して一転、連鎖的に買い注文を入れたというものだ。生身の投資家の多くは、半信半疑で見守るばかりだった。

ニューヨークは今やコロナウイルスで米国最大の「ホットスポット」。日本時間25日朝には「米国内でもニューヨークから移動した人たちには14日間の自主隔離を勧告」との発表があった。ニューヨーク州のクオモ知事は会見で「絶対的に人工呼吸器が足りない。3万人分が必要なのに、連邦政府が送ってきたのは400台。誰が死ぬかを決めるのは連邦政府にしてくれ」と憤りをみせた。さすがにトランプ米大統領もニューヨークに4000台の人工呼吸器を送ると表明した。

事態がそこまでひっ迫しているのに、米国株は史上最大の上昇。市場参加者は、この温度差に動揺している。

トランプ氏は強気だ。「(4月12日の)イースターまでに封鎖を緩和させる。美しい目標だろう」と胸を張る。しかし、会見に同席した米国立アレルギー感染症研究所のファウチ所長は「今後のデータ次第」とクールだ。大統領選を意識したトランプ氏の政治色が強い発言ばかりが目立つ。

投資家が知りたいのは、この株価大変動がいつまで続くのかだ。そこで参考になるのが「恐怖指数」とも呼ばれる株式相場の変動性指数(VIX)だ。24日も61と依然として危機的な水準にある。

VIXをもとにした先物取引があり、先物価格からは低下、つまり安定に向かうと予想する市場参加者が多いことが読み取れる。4月物は46、5月物は39、6月物は34、9月物は26と決済期を追うごとに数字は低くなっている。ボラティリティー(相場の変動性)はまだ高いが、今がピークとの見通しである。少なくとも、ダウ平均の1営業日の騰落幅が1000ドルを超えるような相場環境は長続きせず、徐々に安定へ向かうということだ。

それゆえ24日のニューヨーク市場でも「出遅れまい」と焦るようなことは避ける投資家も少なくない。今後数週間のコロナウイルスの展開をみてからでも遅くはないという割り切りだ。

日本株については、2月に指摘した「五輪中止なら日本株買い」の読みどおり、延期で決着したことでヘッジファンドは24日に買いに動いた。彼らからは日経平均株価が1万9000~2万円に接近すれば売りとの相場観も伝わってくる。

日米ともに株価は当面、荒い動きが続き、徐々にマクロ経済の縮小均衡に見合った水準に収れんしてゆくことになろう。これまでの経験はあてにならない「新常態(ニューノーマル)」ゆえ、頭の中のハードディスクは消去しておいたほうがよかろう。

豊島逸夫(としま・いつお)

 豊島&アソシエイツ代表。一橋大学経済学部卒(国際経済専攻)。三菱銀行(現・三菱UFJ銀行)入行後、スイス銀行にて国際金融業務に配属され外国為替貴金属ディーラー。チューリヒ、NYでの豊富な相場体験とヘッジファンド・欧米年金などの幅広いネットワークをもとに、独立系の立場から自由に分かりやすく経済市場動向を説く。株式・債券・外為・商品を総合的にカバー。日経マネー「豊島逸夫の世界経済の深層真理」を連載。
・ブルームバーグ情報提供社コードGLD(Toshima&Associates)
・ツイッター@jefftoshima
・業務窓口はitsuotoshima@nifty.com

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