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運用もできる変額保険、本当にお得?(運用相談室)

資産運用の悩みは人それぞれ。投資信託をどう選んだらいいのかも、年齢や年収、投資経験などで違ってくる。日経電子版の「投資信託サーチ」を使いながら、投信選びのヒントを資産運用のプロが解説する。今回助言してくれるのは、独立系金融アドバイザー(IFA)の神田尚季氏。

【相談内容】30歳の会社員Gさんは、専業主婦の妻と3歳の娘の3人で千葉県に暮らしている。最近1000万円の死亡保障がつく変額保険に入った。30年間、毎月2万円程度を払い込むという契約内容だ。資産形成をしながら万が一の備えもできると聞いて即決したが、本当にいい商品なのかどうか少し不安になっている。

運用成績によって保険金額が変動

変額保険は「毎月の積み立てで資産運用をしながら、万が一の場合は死亡保険金が出る」というのがうたい文句です。同時に2つの目的にかなうので、Gさんのように小さいお子さんをお持ちの若い世代の興味を引きますよね。

まずは変額保険の特徴をおさえておきましょう。変額保険が一般的な保険と違うのは、契約者が支払った保険料の一部を運用に回せる点です。受け取る保険金額は運用成績によって変わるので、運用がうまくいった場合は多くもらえ、運用が不調なら少なくなります。一方、いざというときには死亡保険金(Gさんの場合は1000万円)が保障されます。

将来の受取額、利回りゼロ%なら目減り

それでは、Gさんの実例をもとに具体的な数字で見ていきましょう(図表1)。毎月の支払額は2万1440円。支払総額は30年間で約772万円になります。

これに対し、30年間の運用利回りがゼロ%だった場合、将来に受け取れる金額は569万円です。支払った金額より200万円ほど目減りするのは、保険料がすべて運用に回るわけではないのと、死亡保障などに必要な経費が差し引かれることが理由です。

運用がうまくいった場合はどうでしょう。利回りが7%なら30年後に1893万円が受け取れます。支払った金額の2倍以上です。死亡保障もつくことを考えると、かなりお得感がありますよね。ただし、運用がうまくいくかどうかは契約時点でまったくわかりません。

投資信託で積み立てた場合は?

それでは、変額保険の2つの機能を分解したらどうなるでしょう。(A)投資信託での積み立て投資と(B)掛け捨てのシンプルな保険を別々にしたケースを、図表1の変額保険の横にまとめました。運用利回りがゼロ%でも7%でも、30年後の受取額は変額保険を上回ることがわかります。

この試算では、死亡保険金を変額保険と同じ1000万円にしました。ただ、30年間ずっと同じ金額が必要か考えてみてください。30年後は娘さんが独立してもおかしくない年齢です。住宅ローンを組むことになれば、団体信用生命保険への加入で十分に家族を守れるかもしれません。シンプルな保険のほうが契約途中で見直しやすいメリットがあります。

グローバル株式で積極運用を

最後にGさんにおすすめの投資信託を紹介します。働き盛りのGさんは老後までの時間がたくさんあるので、ある程度のリスクをとりながら積極的に運用するのがいいと思います。世界の株式に投資するタイプのうち、積み立て型の少額投資非課税制度(つみたてNISA)を利用できるファンドを検索してみましょう(図表2の手順参照)。

検索で出てきたのが図表3の12本です。つみたてNISAの対象はもともと低コストのファンドに絞られていますが、一覧はコストの安い順(同順もあり)に並べました。どのファンドにするか迷ったら、コストで選ぶのがわかりやすいので、参考にしてみてください。

神田尚季氏
大学卒業後、信託銀行勤務を経て、2019年にファイナンシャルスタンダード(東京・千代田)入社。大阪オフィス勤務。

(QUICK資産運用研究所)

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