日本経済「横ばい状態が続く」 本社景気討論会

2016/10/24 15:11
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日本経済新聞社と日本経済研究センターは24日午後、東京・大手町の日経ホールで景気討論会を開いた。出席者からは国内景気について「横ばいの状態が続いている」との声が相次いだ。賃上げについては「インフレ期待を高める上で重要」との声が上がった一方で、「日本経済が成長軌道に乗るとの確信が持てない段階では消極的にならざるを得ない」との意見も聞かれた。

景気討論会で討論する(左から)JFEホールディングスの林田英治社長、みずほ総合研究所の門間一夫エグゼクティブエコノミスト、日本総合研究所の山田久チーフエコノミスト、日本経済研究センターの岩田一政理事長(24日午後、東京・大手町)

景気討論会で討論する(左から)JFEホールディングスの林田英治社長、みずほ総合研究所の門間一夫エグゼクティブエコノミスト、日本総合研究所の山田久チーフエコノミスト、日本経済研究センターの岩田一政理事長(24日午後、東京・大手町)

出席者は林田英治JFEホールディングス社長、門間一夫みずほ総合研究所エグゼクティブエコノミスト、山田久日本総合研究所チーフエコノミスト、岩田一政日本経済研究センター理事長。司会は長谷部剛日本経済新聞社東京本社編集局長。

JFEホールディングスの林田英治社長は、製造業の国内設備投資について「そこそこの水準」に達しているとしたものの「量的拡大を追ったものではなくもっぱら合理化投資」にとどまっていることが「経済の低成長に影響を与えている可能性がある」との見方を示した。賃上げについては「厳しい状況だが経済を成長軌道に乗せるために努力しなければならない」とした上で、生産性の向上を上回る水準での賃上げについては「5年後に日本経済が成長軌道に乗るとの確信があればおかしくないが、今は消極的にならざるを得ない」と述べた。

みずほ総合研究所の門間一夫エグゼクティブエコノミストは、企業の賃上げについて「過去3年間の緩やかな賃上げは来年にかけても続いていく方向」との認識を示した。門間氏は「生産性の向上を超えて賃金が上がらないとインフレは起こらない」とした上で、賃上げの加速には「企業の国内市場に対する拡大期待が必要」と主張。経営側は賃上げによって「将来のリターンが上がるという確信がないと踏み切れない」とし「国内の成長を高めるような構造改革が不可欠だ」と話した。

日本総合研究所の山田久チーフエコノミストは、日本経済について「非常に急激な円高進行がなければ、向こう数年は横ばいが続く」との認識を示した。こうした状態が続けばいずれ景気は下落局面に転じるとし、「実質賃金をいま以上に上げる必要がある」と述べた。企業が積極的な賃上げに消極的となる原因は「賃金の上昇と生産性の向上という好循環が起こっていないこと」にあるとし「労働需給がより生産性の高いところに移っていくような労働市場政策と賃上げをセットで行う」ことが必要であるとの考えを示した。

日本経済研究センターの岩田一政理事長は個人消費の停滞理由について、実質賃金が改善する半面「潜在成長率がゼロに収束していく一方、働く世代に対して税や社会保障負担が増えている」ことが根底にあると分析。物価上昇率を2%まで上げたければ、過去に物価が2%程度だった1992~93年ごろと同等の「2.5%まで失業率を下げないとだめだ」との考えを示した。〔日経QUICKニュース(NQN)〕

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