バーナンキ前FRB議長、日銀の物価目標達成「政府との連携必要」
バーナンキ前米連邦準備理事会(FRB)議長は24日、日銀が本店(東京・中央)で開いた金融政策に関する国際会議で講演し、日銀の2%の物価目標の達成について「人々のインフレ期待を高めるために財政政策などで政府との連携が必要だ」と述べた。物価押し上げに向けて日銀が進めている金融緩和政策の限界を示唆。日銀の金融政策と同時に財政出動や賃上げなどで政府の強力な後押しの重要性に言及した。
バーナンキ氏は昨年9月に日銀が長短金利操作の導入を主軸に金融緩和の枠組みを変更したことについて「建設的な判断で政策をより持続可能なものにした」と評価した。また失業率の低下など労働市場の回復や株価などの上昇にもかかわらず物価が上昇しないことについては「現在の経済状況が一時的との猜疑(さいぎ)的な見方が残っているためではないか」とし、インフレ期待が高まらないことが原因だとの見方を述べた。
バーナンキ氏は「金融政策と政府の政策の連携でインフレ期待を高める取り組みが必要だ」と強調。政府債務を増やすなど財政出動を続けて国内総生産(GDP)の押し上げを続けることや、民間の賃上げに政府が積極的に関わることで「将来に向けてインフレが続くと思わせるように人々の考えを変えるように仕向ける必要がある」と語った。〔日経QUICKニュース(NQN)〕
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