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顔見える運用で新風 げんせん投信(話題の投信)

2018/2/27 12:00
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ニッセイアセットマネジメントが運用する「げんせん投信」が投資信託業界に新しい風を吹き込んでいる。これまで独立系運用会社がリードしてきた「顔の見える運用」へと踏み出し、じわじわとその存在感を示しつつある。

■「ひふみ」のDNAを引き継ぐ

2017年6月に運用を始めた「げんせん投信」の運用対象は国内の株式。ファンドマネジャーの伊藤琢氏は異色の経歴の持ち主だ。音楽家を志して留学していた米国で金銭が尽き、一時帰国して始めたアルバイトが投信業界に「転身」するきっかけになった。

そのアルバイト先が独立系運用会社のレオス・キャピタルワークスで、同社の社長は伊藤氏が大学時代に授業を取っていた恩師の藤野英人氏だ。伊藤氏は創業当初の同社でアルバイトとして働くうち、自然と投資の世界に引き込まれたという。

レオスが運用する「ひふみプラス」は、主に国内株で運用するファンドとしては日本最大規模。独創的な投資理念などが反響を呼び、個人投資家の人気を集めている。伊藤氏は「顧客目線を取り入れて成功した『ひふみ』から多くを学んだ。『げんせん投信』にもそれを活かしたい」と熱く語る。藤野社長から引き継いだDNAが「顔の見える運用」へのこだわりにつながっている。

情報公開には工夫をこらす。大手運用会社では珍しく「げんせん投信」だけの専用サイトを開設。運用に関わる人の写真などを掲載し、ファンドの生い立ちや企業訪問の様子、投資先企業の社長との会話までオープンにしている。

■名前の由来は「厳選×源泉」

「げんせん投信」の名前には、2つの由来がある。ひとつは収益力向上による株価上昇が期待される銘柄を「厳選」すること。さらに投資先を選ぶ上で、企業の経営力や組織力といった競争力の「源泉」を見極めるという意味も込めた。

運用対象は国内の株式に絞り、規模に制限を設けず大型株にも中小型株にも投資する。1月末時点の組み入れ銘柄数は47で、そのうち44社が東証1部に上場している。

■心臓部は「GENSENスコア」

銘柄選びは「目に見えない資産(=企業の競争力の源泉)」に力点を置く。財務諸表などから読み取れる「目に見える資産」は企業活動の結果でしかないという考えがあるからだ。伊藤氏は「株式投資で勝つには、結果が出る前の『源泉』に着目するのが大事。その方が判断材料としての付加価値が高い」と語る。

「目に見えない資産」を構成するのは、(1)組織資産(2)人的資産(3)顧客資産――の3つ。それぞれの分野に点数を付け、そこに企業のトップである社長の評価を加えて企業ごとに「GENSENスコア」を付与する。そのプロセスこそが「げんせん投信」の心臓部だ。

■ワクワク、イキイキ、ニコニコで銘柄選び

投資判断で着目する3つの資産のうち、根幹にあるのは企業理念やビジョンを指す「組織資産」だ。企業が目指す未来の姿にワクワクするか、達成しようとする熱意が感じられるかを確認する。

次が一緒に働く仲間の「人的資産」。企業の理念に共感しイキイキ働く人が集まれば集まるほど成長も早く、生産性が高い傾向にあるという。

最後が「顧客資産」。企業が提供する商品やサービスを心から好み、ニコニコしながら応援してくれるファン(=ロイヤルカスタマー)が付いているかを重要視する。

この3つの見えない資産に、企業を率いる社長の評価を加味すれば「GENSENスコア」の完成だ。社長の評価はファンドマネジャーの伊藤氏やアナリストが直接面談したり、説明会に足を運んだりして判断する。「ワクワク、イキイキ、ニコニコ」のプロセスを社長自身がどう捉えて実践しているのかがポイントで、社長の考えがよく見えない企業は必然的に投資対象から外れる。

「GENSENスコア」は、以上の項目について20人のアナリストがそれぞれ1~4段階で点数化。現在600社以上にスコアを付け、毎月更新している。ここから平均点以上の300社を抽出し、最終的に将来の収益予想などを勘案しながら実際の投資先を決めていく。

■目指すは日本株最大のファンド

こうして投資先企業を選んだ「げんせん投信」の設定日を基準にしたリターンは、1月末時点で21.19%。日本株の代表的市場平均である配当込み東証株価指数(TOPIX)の15.23%を上回る結果を出している。

純資産総額(残高)は1月末時点で3億円。発展途上ではあるものの、徐々に残高を積み上げてきている。レオス・キャピタルワークスが運用する5000億円超の「ひふみプラス」には遠く及ばないが、「目指すは最大の日本株ファンド」と伊藤氏の目標は大きい。

今年から始まった積み立て型の少額投資非課税制度(つみたてNISA)の対象入りも狙う。アクティブ型投信が対象になるには、運用実績や資金流入超過の期間、残高などの条件がかなり厳しい。

設定当初からつみたてNISAを意識して、実質信託報酬(税込み)を0.999%と低く抑えた。対象に入るための条件である「1.080%以下」をクリア、国内株式で運用する他のファンドの平均値(1.115%)も下回る。

販売会社はネット証券4社。顧客目線に立って着実に資金を集め、目標達成に向けファンドを育てていく方針だ。現在はネット中心の情報発信についても、今後は「運用スタンスなどを投資家に直接説明するセミナーなども開きたい」(伊藤氏)という。

(QUICK資産運用研究所 小松めぐみ)

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