軟調か 半導体関連が重荷(先読み株式相場)
23日の東京株式市場で日経平均株価は軟調な展開となりそうだ。前日の米株式相場が下げ、投資家心理は悪化しやすい。米政権による中国の華為技術(ファーウェイ)への制裁措置の影響も広がりをみせており、半導体関連や電子部品株に売りが出そうだ。だが、内需関連株への資金シフトが進めば相場全体の支えとなり、市場では日経平均の下値は前日終値(2万1283円)を100円程度下回る2万1200円程度になるとの見方があった。

22日の米ダウ工業株30種平均は反落し、前日比100ドル安で終えた。証券会社のアナリストが「中国での販売禁止・規制となれば1株利益が約3割減る」と指摘したアップルが大きく下落するなど、米中貿易摩擦の悪影響に対する警戒がくすぶっている。大阪取引所の夜間取引で日経平均先物6月物は2万1230円と22日の清算値を50円下回った。
東エレクなどの半導体関連に加え、村田製や太陽誘電といった電子部品株には改めて売りが出そうだ。22日は主な半導体関連銘柄で構成する米フィラデルフィア半導体株指数(SOX)が2.1%下落。米連邦地方裁判所が独占禁止法に違反したと判断した米クアルコムが10%超急落したほか、パナソニックや英半導体設計大手のアーム・ホールディングスがファーウェイとの取引を停止するなど影響が世界に広がっており株価の重荷となりそうだ。
個別ではソフトバンクグループ(SBG)に注目だ。ロイター通信が22日、SBG傘下の米携帯スプリントとTモバイルUSの合併計画について米司法省の担当者が阻止するよう省内で提言したと報じたのをきっかけに、スプリントの株価が急落。米連邦通信委員会(FCC)のトップが合併承認の意向を示したことで財務改善期待からSBGの株価は上昇していただけに、売りが先行すれば日経平均を下押しする公算が大きい。
もっとも、相場全体の下値を探る動きは限られそうだ。米中貿易摩擦の懸念で輸出関連株が軟調ななか、投資家の資金は内需やディフェンシブ株に向かっている。市場では「今期の営業利益が過去最高となる企業の割合はサービスや情報通信など内需関連に多く、内外の投資家から買いが入りやすい」(三菱UFJモルガン・スタンレー証券の三浦誠一投資ストラテジスト)との声が聞かれた。
〔日経QUICKニュース(NQN)〕
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