広瀬氏、日本経済「回復はまだら模様」 景気討論会
日本経済新聞社と日本経済研究センターは21日午後、景気討論会を開いた。東京海上日動火災保険の広瀬伸一社長は新型コロナウイルスの感染拡大の影響から戻り歩調にある日本経済について「回復もかなりまだら模様で『V字』とか『L字』とかいうよりも『K字』の形だ」との認識を示した。巣ごもり消費関連は好調を保つが、対面サービスについては「メンタルの部分も含め、消費マインドや(人が)動くマインドが戻ってこないと厳しい」と述べた。
BNPパリバ証券の中空麻奈チーフクレジットストラテジストは、日本経済がコロナ前の水準に回復するのは「2024年くらいになる」と説明。目先も新型コロナに有効なワクチンや治療薬の開発が進むまでは「一本調子の回復ではなく、一進一退を繰り返しやすい」と述べた。
日本経済研究センターの岩田一政理事長は08年のリーマン・ショック後の米経済を例に、日本経済について「相当な潜在成長率の低下が起こりえるのが1つの問題だ」と指摘した。物価についても政府の「Go To」キャンペーンの影響や、通信料の引き下げが下押しするとみて「自然利子率が下がるのを考えると、来年にプラスになるのは無理だと思う」と語った。
〔日経QUICKニュース(NQN)〕