4月の輸出額21.9%減、コロナ響く 減少率は09年10月来の大きさ
財務省が21日発表した4月の貿易統計(速報、通関ベース)によると、輸出額は前年同月比21.9%減の5兆2023億円だった。17カ月連続の減少で、2009年10月(23.2%減)以来の大きな減少率だった。新型コロナウイルス感染症の影響で米国向けの自動車や航空機用のエンジンなどが落ち込んだ。

輸入額は7.2%減の6兆1327億円だった。12カ月連続の減少で、4月は原油先物価格が一時マイナス圏に落ち込むなど、資源価格の下落が全体を押し下げた。輸出から輸入を差し引いた貿易収支は9304億円の赤字だった。赤字は3カ月ぶり。
対中国の輸出額は4.1%減の1兆1822億円だった。化学製品や自動車部品などが減った。輸入額は11.7%増の1兆7348億円で衣服・マスクなどに使う織物用糸・繊維製品の輸入が大幅に伸びた。貿易収支は5526億円の赤字。
対米国の輸出額は37.8%減の8798億円だった。減少率は09年7月以来の大きさで、自動車や自動車関連用品の落ち込みが影響した。米国からの輸入額は1.6%増の6986億円で、貿易収支は1812億円の黒字だった。
対欧州連合(EU)の貿易収支は1912億円の赤字だった。赤字は10カ月連続。
〔日経QUICKニュース(NQN)〕