長期金利0.2%割れ 世界的な金利低下も影響(主要国金利一覧)
20日の国内債券市場で、長期金利の指標である新発10年物国債の利回りが初の0.1%台に突入した。さらに「マイナス利回り」の領域が5年ゾーンに及んだ。利回り低下の要因は、日銀による大量の国債購入だけではない。国債買い取りを伴う量的緩和政策が秒読みといわれるユーロ圏などで金利低下が進み、運用難にあえぐ投資マネーが日本にも流れた影響も大きい。
日本国債の利回りは欧米よりもはるかに低いが、外貨を為替スワップやベーシス・スワップなどのデリバティブ(金融派生商品)を通じて円に転換し運用した場合には高い利回りを得られるケースがある。以下に日米欧などの政策金利と国債利回りを一覧した。
【各国の政策金利、5年債利回り・10年債利回り一覧】
(日本時間20日15時時点の気配値)
政策金利 5年債 10年債
日本 量的・質的緩和 *マイナス0.005% *0.195%
米国 事実上ゼロ% 1.280% 1.810%
英国 0.50% 1.019% 1.527%
ドイツ 一部マイナス金利マイナス0.058% 0.387%
フランス 一部マイナス金利 0.066% 0.633%
イタリア 一部マイナス金利 0.754% 1.666%
スペイン 一部マイナス金利 0.788% 1.511%
ギリシャ 一部マイナス金利 気配なし 9.258%
スイス マイナス1.25~マイナス0.25 ※マイナス0.06%
デンマーク 一部マイナス金利 マイナス0.021% 0.585%
ノルウェー 1.25% 0.827% 1.362%
スウェーデン ゼロ% 0.034% 0.750%
カナダ 1.00% 1.084% 1.529%
韓国 2.00% 2.120% 2.365%
オーストラリア 2.50% 2.228% 2.669%
ニュージーランド 3.50% 3.417% 3.427%
※スイス10年債利回りはスイス国立銀行(中央銀行)が19日終値として公表した値。日本の5年物国債、10年国債の利回りは20日夕方までの最低水準。〔日経QUICKニュース(NQN)〕