2019年6月25日(火)

長期金利0.2%割れ 投資家の運用難に拍車・第一生命研の熊野氏

2015/1/20付
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熊野英生・第一生命経済研究所首席エコノミスト 新発5年物国債利回りがマイナスを付け、新発10年物国債利回りが0.2%を割り込んだことで、投資家は一段と運用難に悩むことになりそうだ。米国では利上げが模索されている一方、日本や欧州は金融緩和政策を継続しており、世界的な「カネ余り」の様相は強まっている。極端な金利低下にかかわらず、企業の設備投資や資金需要はさほど盛り上がっておらず、金利に対する実体経済の感応度が低下しているようだ。

原油安が続く限り、本格的な株高は見込みにくい。国内投資家は多少は外債投資に目を向けているようだが、日欧の金利低下が続いている中で米長期金利も2%を割り込んでおり、米国債投資は米金利の一段の低下を促してしまう。結局は運用難を背景に、市場に滞留するマネーが債券に集中して、さらなる金利低下を招き、運用難に拍車がかかっている構図だ。国内社債市場では足元で、国債利回りに対する上乗せ幅(スプレッド)がやや厚くなっているが、余剰資金の流入でスプレッドが縮小し、リスク感応度が低下していくことも考えられる。

金利低下は住宅市場において、購入意欲の高まりやローンの借り換えなどの需要を生む可能性はあろう。半面、消費増税による需要の冷え込みや競争激化による利ざや減少の影響は大きい。国内金融機関にとっては深刻な運用難も加わり、収益環境は厳しさを増している。

今後は原油安に歯止めがかかり、実体経済への好影響が表れてくるなら世界的な金利低下も一服するだろう。ただ、日銀や欧州中央銀行(ECB)が金融緩和の模索を続け、緩和からの「出口」が見えない状況では、基本的に債券需給の逼迫は続く公算が大きい。投資家は「我慢比べ」の債券買いを続けざるを得ず、国内債券市場の利回りは中短期だけでなく長期のゼロ%が視野に入ってきた。今後は超長期の低下も顕著になってきそうだ。〔日経QUICKニュース(NQN)〕

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